理想の作家は切間誠一。理想の必殺技は二重の極み。

人力だった。
自分が正しいか、と自問するより、自分の何処が間違ってるかと考えた方がずっと事実に近い筈だ。
ほとんどの人間は何時でも正しい事は出来ていない。
人間が"これがは絶対に正しい"と思ってるとき、ほとんどの場合その事実は既に遠い過去のものになっている。
あなたが他人に何かを隠しているとき、世界はその何十倍もの真実をあなたに隠している。
切間誠一
「理想の小説家は?」
と聞かれたら、エセ賢者は間違いなく「切間誠一」と答えます。
全ての作家は皆彼を目指すべきであり、その行いこそがクリエイターとしての到達点であると思っています。
「切間誠一って誰だよ?」
と思っている95%の人のために説明すると、「ブギーポップは笑わない」というライトノベルに登場する小説家のことです。
実在する人物ではありませんので、ご注意ください。
「ブギーポップは笑わない」はひと昔前に流行ったラノベで、わりとダークな雰囲気の能力バトルもの。
切間誠一はそのヒロイン(?)切間凪の父親で、実用書を出版しながらフィクション小説を書く風変わりな作家です。
彼自身は能力者でも何でもないのですが、この世界には統和機構というMPLS(能力者のこと)を始末して現行人類を守る組織があり、彼の熱心なファンはなぜか統和機構に消されていきます。
つまり、彼が書く本には人の心の深層を刺激し、能力に目覚めさせる効果があったわけです。
10年以上前に読んだので正確かはわかりませんが、確かそういう設定だったと思います。
小説を読んだだけで化け物になってヒットマンに狙われるなんて冗談じゃありませんが、人を超能力者に変えてしまう文章なんてものがあったら、本当にとんでもないこと。
それこそが、クリエイターとしての究極の到達点と言ってもいいぐらい。
世の中には、沢山の名作・傑作があります。
「感動できる作品」も、「「面白い作品」も、星の数ほどあります。
けれど、「人を超能力者に変えてしまう作品」は、一つもありませんよね。
それどころか、「人の行動を変える作品」でさえ、そう多くはありません。
私はその事実が、たまらなく悔しいのです。
「感動できる」ことも、「面白い」ことも、大切なことです。
けれど、それは一過性のものでしかなく、本当に人の役に立っているとは言えないのではないでしょうか?
本当に素晴らしい作品とは、表面的な影響だけではなく、それを見た者の深奥に届き、その行動を変えるものでなくてはならない。
かつてブギーポップを読んだとき、エセ賢者はそう感じたわけです。
実際のところフィクション作品が人に影響を与えるのはさほど珍しいことではなく、昔のジャンプ漫画でも当時の子供に少なからず影響を与えていました。
例えば、
・ドラゴンボールのかめはめ波
・北斗の拳の秘孔突き
・るろうに剣心の二重の極み
・ハンターハンターの念能力
といった必殺技が有名ですね。
当時小学生だった男性なら、上記のどれかは真似してみたことがあるのではないでしょうか?
もちろん、私は全部習得するまで訓練しましたよ。
(絶対小学生なんて歳ではないが)
特にるろ剣の二重の極みは燃えましたね。
「二連続で力を加えることで物体の抵抗を零にし、どんな物体も破壊する」
なんて無茶な設定ですが、片手だけでできる単純な技だったので、多くの子供が真似していました。
同じジャンプの人気漫画でも、NARUTOやワンピースの真似をする子供はあまりいませんでした。
やっぱり、生身でできそうにない技能は、真似しづらいのだと思います。
影分身とかゴムゴムのピストルとか、絶対無理だし。
子供の真似事と笑うかもしれませんが、最初のきっかけというのは、物事においてもっとも大事なものです。
たわいのない漫画でも、それをきっかけにチャレンジすることは実に多い。
『スラムダンク』でバスケットボールを始めた人や、『ヒカルの碁』を読んで囲碁を始めた人は結構いるはず。
テレビや書籍は、思った以上に私達に影響を与えているのです。
創作物にとって一番大事なことは、「読み手に行動させる」ことです。
どんな感動的な作品でも、完璧な理論を記載した実用書であっても、ただ読み流すだけでは意味がありません。
何の気まぐれにせよ、今貴方はここでエセ賢者の駄文を読んでいるわけです。
この文章は、貴方の行動に1%でも影響を与えているでしょうか?
それとも、ただ読み流して、何も残らないのでしょうか?
もしも後者であるのなら、今すぐこのページを閉じて、もっと有益な情報を探すことをお勧めします。
こんな猫画像しかないブログを見続けるのは、人生の浪費でしかありませんので。

遊んでる暇あるの?
どんな情報も、ただ取り入れるだけでは意味がありません。
それを噛み砕いて血肉化し、行動に移さなければ、ただのメモリの無駄遣いでしかないのです。
貴方がもし作家や脚本家、教師やインストラクターなど、人に教えを説く立場にあるのなら、できる限り実行に移したくなるように取り計らってあげてください。
ナルトやワンピースではなく、ドラゴンボールやハンターハンターを作るのです。
貴方が教えを受ける側であるのなら、どんな媒体でもいいから自分が最も取り込みやすい物を見つけて、それを実践してください。
万人受けするだけの抽象論に耳を傾けて、時間を浪費してはいけません。
全ての情報は、貴方が実行に移さない限り、何の価値もないのですから。
かつてエセ賢者は「二重の極み」の練習を繰り返して何の成果も得られず、むしろ手を痛めましたが、それを後悔したことはありません。
夢とはチャレンジすることと、楽しむこと自体に意味があるからです。
この世界では、行動こそが最も強い意味を持ちます。
鑑賞して楽しむのもいいですが、行動することを忘れないでください。

人も猫も、ただ行動あるのみ!