どんな優れたFX手法も環境認識がなければ役に立たない
負けてんじゃん (´;ω;`)
投機の世界には、何百何千というトレード手法が溢れています。
平均足を使うもの、節目にブレイクを狙うもの、スタティスティックスを使うもの、ナンピンを利用するものなど、勝つ方法は無数にあります。
トレードを始めたばかりの初心者はこの中から自分に扱えて、勝てそうな取引方法を選ぶわけですが、
「それは順序を間違えていないか?」
とエセ賢者は思います。
いきなりやり方だけ学んでFXに向かっても、それが機能する環境を知らなければ、結局無駄に資金を溶かすだけではないでしょうか?
天気に晴れや雨があるように、季節に春夏秋冬があるように、相場にも特徴的な区分があります。
その分け方は諸説ありますが、一番有名なのは燃えるゴミと燃えないゴミ、じゃなかったレンジ相場とトレンド相場の二つに分ける方法ですね。
レンジ相場は方向感がなく、一定の範囲で上下を繰り返す状態です。
レジスタンスやサポートでの逆張りが機能しやすく、ナンピンやトラリピの勝率が高くなります。
一方でトレンドフォロー系の勝率は低く、ダマシに多数引っかかってしまいます。
トレンド相場は、上下のいずれかにどんどん進んでいく状態です。
ジグザグ上下に動きながらも全体として一方向に偏るので、押し目買いやブレイクアウトで順張りしていくのが得策です。
一方で逆張りは大きく取り残され、ナンピンすれば膨大な損失を被ることも多い。
この二つの相場状態の両方で勝てる手法は、あまりありません。
アービトラージでも使えばなんとかなるのかもしれませんが、それは別の話です。
順張りでも逆張りでも、一つのトレード手法をずっと使っていたら、間違いなく破産します。
その手法が機能しない時間帯があるからです。
勝つためにはまず環境認識をして、その環境で使えるルールを作らないといけないわけですね。
「手法と環境認識はセットでなければならない」
ということを覚えておいてください。
ここで勘違いしてほしくないのは、
「環境認識の分類方法は一つではない」
ということ。
先ほどは市場を「トレンド相場とレンジ相場」に分けましたが、これはかなり乱暴な区分けです。
生物を「動物と植物」に分けたり、動物を「脊椎動物と無脊椎動物」に分けたりするぐらい、大雑把な話です。
実際は動物でも植物でもない生物はいるし、脊椎動物にだって魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類といった風に色々な種類がいますしね。
熟練のトレーダーはレンジやトレンド、ボックスやパニックといった大雑把な区分ではなく、相場をそれぞれの手法がワークする状況で分割します。
①パターンA・・・手法1が有効
②パターンB・・・手法2が有効、手法1は絶対ダメ
③パターンC・・・手法1と3が有効
④パターンD・・・使える手法がないので、手を出さない
実際に何種類に分けるのが正解ということはありません。
トレーダーの数だけ分け方があり、検証と実践の繰り返しで洗練されていきます。
動物・植物の種別も、30年前と今では随分変わりました。
同じようにトレーダーの成績次第で、分割と統廃合を繰り返して変わっていくのが正しいんでしょうね。
大事なのは、「環境をどう判断するか?」ということ。
何種類に分けてもいいですが、作った本人が区別できないのでは意味がありません。
我々は空を見上げて今日の天気を判断しますが、それは結構不正確。
天気には定義があり、天気予報士はそれに基づいて厳格な判断を下しています。
快晴 : 雲の量が1割以下
晴れ : 雲の量が8割以下
曇り : 雲の量が9割以上
天気と同じように、相場の環境認にも定義があります。
例えば、トレンド相場とレンジ相場の定義はこうなります。
①アップトレンド
連続する高値・安値が、その前の高値・安値より上にある状態
②ダウントレンド
連続する高値・安値が、その前の高値・安値より下にある状態
③レンジ
高値と安値が、ほぼ同じ値でそろっている状態
④ノントレンド
上記のいずれでもない状態
この定義に従ってトレードを行うのなら、それぞれの見分け方を習得し、それに適合したトレードシステムを割り当てなければなりません。
別の区分を使うなら、当然それに見合った定義とトレード手法がセットで必要です。
RSIやストキャスティクスといったオシレータ系で、環境を判断する人もいるでしょう。
VIX指数でパニックと判断して、取引を控える人もいるでしょう。
自分に有利な特定の状態だけをターゲットにして、それ以外は全てノートレードな人も少なくありません。
もしも環境認識抜きでトレード方法を教えているFX講師がいたら、相場の本質を理解していない素人か、あるいは詐欺なのでしょう。
迷ったら、どんな分類があって、どれでワークする取引方法なのか訊いてみてください。
全ての日の全ての時間帯に勝てる手法は存在しません。
自分の手法がどのような環境において優位性を持つのか、理解しておきましょう。
⇒トレンド相場とレンジ相場 トレンドだけは逆らうな!
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