借りたほうが儲かるマイナス金利貸出

現実は無情だ・・・ (つω-`。)
あくまで検討の段階ですが、「日銀が銀行にマイナス金利で貸出をする」という噂が流れています。
どうも最近の奇妙な円安株高は、これが原因らしい。
現行のマイナス金利政策は、「日銀当座預金口座の一部に負の金利を課すことで、預金から投資へと資金を誘導する政策」です。
これによって銀行のノーリスクで懐に入る利益が減少するため、銀行の株価は急落することになりました。
それに対して、新しいマイナス金利政策(貸出金利のマイナス)は、全くの逆。
日銀から銀行に資金を供与する際にマイナスの利息を付け、貸した額より返済額を少なくするというもの。
わかりやすく言うと、100万円借りて、1年後に99万円返すといった感じか。
返済額が減る上に、インフレするほどお得になる。
借りれば借りるほどお得になる、まるで魔法の小槌。
市井では絶対にあり得ない現象だが、日銀が損をする前提なら不可能ではない。
ぶっちゃけ、日銀が一般銀行に補助金を出しているだけなのですが。
完全に、現在のマイナス金利と矛盾した政策です。
そんなに金が余っているなら、猫賢者に1000億円くらい貸してくれないでしょうか?
1年後に990億円返しますよ?

まぁ、実際に導入されるとしても、無条件で貸し出されるということはないでしょう。
おそらく貸出額に応じた担保が必要になるので、庶民が借りることは不可能と思われます。
市場はこのニュースに過剰反応して銀行株を大きく押し上げていますが、おそらく4/28の日銀会合で実際に導入される可能性は低いと思います。
既に飽和状態になっている日本経済に対して、これ以上資金を供給しても効果は薄いのを、日銀の委員が知らぬはずがない。
マイナス金利導入によって、日本の銀行預金や住宅ローン金利は、限りなくゼロに近づきました。
さらに貸出金利をマイナスにしたところで、預金やローンまでマイナスになることはあり得ません。
大企業も、さらにお金を借りてまで、設備投資を増やそうとはしないでしょう。
もしもマイナス金利貸出を強行して資金を注入すれば、本来投資対象でない金融商品へ資金が流入する可能性が高い。
信用度の低いジャンク債や株式、不動産に資金が流れて、バブルを形成するかもしれません。
(当然、その後にバブルは弾けます)

現在の日本の不況は、需給ギャップが原因です。
資金があり余っている銀行にさらに供給したところで、状況が改善されるわけがない。
むしろ、さらに需給が悪化して、スタグフレーションを招くだけでしょう。
それよりもしなければいけないのは、減税と少子化対策で、需要を拡大すること。
前途ある若者や子供をないがしろにして、老害(銀行と大企業)に資金を回す国は、いずれ滅亡するしかありません。
お金を刷ること自体は間違いではないけれど、投資する先を間違えてはいけません。

利益は増えているのに、それを分け合えない愚かさ。
不況の原因がどこにあるのか、本当にわからないのか?
<合わせて読みたい記事>
⇒不況は需給ギャップから生じる
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