三菱東京UFJ銀行が日本国債を破綻させる!?

同じようなことしやがって・・・ (。pω-。)
アベノミクスの量的緩和とマイナス金利により極めて低い利回りで安定していた日本国債市場ですが、三菱東京UFJ銀行が国債入札特別資格を返上するという報道により、波紋が広がっているようです。
三菱グループにはUFJ銀行以外にも国債入札特別資格を持っている会社が二つもあり、仮に特別資格がなくても国債入札自体は可能なため、それほど大きな影響はありません。
(特別入札者自体22社もあるので、1社くらい抜けたところでどうってこともない)
けれど、わざわざ大々的に発表するということは、三菱からのメッセージが込められていると思っていいでしょう。
その内容は、間違いなく日銀への抗議。
要するに、
「マイナス金利とかふざけんな!
俺達の取り分が減るだろうが!
これ以上拡大するんじゃねぇ!」
ってことです。

元々民間銀行は集めた預金を日銀の当座預金に預けることで、年利0.1%の利息をノーリスクで受け取っていました。
また、低利回りとはいえ多量の国債を買うことで、利益を上げていました。
それの安定財源が、マイナス金利の導入により崩れてしまいました。
ほんの一部とはいえ当座預金に負の金利が課せられただけで、これ以上日銀に預け入れることができなくなり、長期金利全体が急激に低下してしまいました。
つまり、マイナス金利によってメガバンクは美味い汁を吸えなくなったんですよ。
エセ賢者的にはノーリスクで金利が入ること自体がおかしいので、当座預金の金利を全てゼロにするべきだと思いますが、それで飯を食っている人々の反感は相当なものでしょう。
今後の追加緩和を考えると、さらにマイナス金利が拡大していくのは必然。
メガバンクを代表してそれに反対するために、わざとこんなパフォーマンスをしたのではなかろうか。

預金者からすればどっちの肩も持ちたくありませんが、確かに日銀は民間銀行を軽視する傾向があります。
日銀が発行した「5分で読めるマイナス金利」を読むと、日銀が民間銀行をどう思っているのかよくわかります。
<5分で読めるマイナス金利>
「銀行が損しない?大丈夫?」
「たしかに銀行にとっては、預金金利はマイナスにならないのに、貸出金利は下がるので、その分儲けは少なくなります。」
「でも大丈夫です。
日本の金融機関は、リーマンショックでも傷ついていないし、とても健全です。
去年もたくさん収益を上げています。
日銀の預金でもマイナス金利にするのは一部だけにして、あまり銀行が困らないようにしました。」
「一部だけにして困らないようにしました」
って、すごい上から目線ですね。
そりゃ銀行も怒るわ。
表だって敵対することはないにせよ、日銀とメガバンクの仲は相当に険悪になってきているようです。
次の追加緩和で日銀がまたサプライズをしでかせば、三菱以外の銀行も反旗を翻すかもしれません。
それ自体は庶民にとってどうでもいいことですが、問題はそれが財政の信頼に傷を付ける可能性があることです。
日本人の多くは「国債は国内で消化されているから大丈夫」と思い込んでいますが、実際には年々外資の割合が増加し、100兆円ぐらい海外の手に渡っています。
外資が買って日銀に売りつけるトレードによって、日銀は相当な損害を被り、4500億円の引当金を積まなければならなくなりました。
(その4500億円は、何もなければ国庫に納付されていたはず)
もはや日本国債はマネーゲームの温床であって、リスクのない投資先とはとても言えません。
一方で消費税増税の再延期によって財政均衡が保てなくなるという懸念があり、大手格付け会社は日本国債のランクを下げる所まではいかなくても、見通しをネガティブに引き下げています。
この状況で日銀とメガバンクが対立を深めれば、買い手が減った隙を狙って強烈な売り仕掛けが入らないとも限りません。
確率としては低いけれど、本当に発生した時は一気に金利上昇と暴落が来ますので、頭の片隅には入れておいたほうがいいかもしれません。

外資に食われ、メガバンクに見放され、目標数字は達成できない異次元緩和。
果てして、打つ手はあるのだろうか?
- 関連記事
- Genre:株式・投資・マネー
- Thread:株式・FX・投資・マネー最新情報