オリンピックを楽しむなら金を稼げ
水泳や柔道で誰が勝ったとか、日本人がメダルを獲得したとか、あちこちから五輪の噂が聞こえてきます。
自分が出場しているわけでもないのに、よくあんなに熱くなれるものですね。
大衆の熱狂を冷めた目で見ている私ですが、実は私にもオリンピックに憧れていた時代がありました。
最近のリオデジャネイロやロンドン、北京の五輪は見ていませんでしたが、もっと前のギリシャで行われていた際は熱心に応援し、自分もいつか参加したいと思っていたものですよ。
屈強な肉体を持ったギリシア人が全裸で殴り合い、戦車に乗ってぶつかり合うオリュンピア大祭は素晴らしかった。
女性は参加を許されず、多数の死傷者を出す過酷な祭りではあったが、あれこそまさに漢の祭典と言えよう。
残念ながら2000年の時を経て再開してからは、死人も出ない生ぬるい競技ばかりになったというが、いつかまたあのような苛烈な戦いが見られることを願っている。

※古代オリンピックの競技
スタディオン走、ディアウロス走、ドリコス走、円盤投、やり投、レスリング、ボクシング、パンクラティオン、戦車競走、武装競走
それにしても、現代の五輪は昔とは随分変わってしまいました。
競技や場所の違いもありますが、何よりも「経済」への影響度が段違いです。
出場選手の勝敗よりも、会社や都市への利益のほうが重要度が高くなっている気さえします。
例えば、オリンピック施設を造る建築会社。
観光客を誘致する旅行代理店。
土産物を売る商店や、飲食物を提供するファーストフード店、宿泊施設など。
少しでも関連性のある企業は今が稼ぎ時と見て、全力で商売に取り組んでいます。
また、直接観光に関係しない企業も、スポンサーとしてオリンピックに協賛しています。
オリンピック全体では約1兆円のお金がかかると言いますが、その大部分のお金を出しているのはスポンサーシップとテレビ放送権料です。
世界的な祭典を通じて自社ブランドを売り込むために、企業も莫大な資金を投下しているんですね。
ちなみに2020年の東京オリンピックではコカ・コーラ、GE、トヨタ、VISAといった国際的な大企業が公式スポンサーになる模様。
直接五輪に協力しているわけではありませんが、ブックメーカーはそれを賭け事に利用しています。
イギリスのEU離脱国民投票で膨大な資金が賭けられたのは記憶に新しいと思いますが、スポーツの大会でもブックメーカーは大賑わいです。
オリンピックやワールドカップなど、大きなイベントが起こる度にギャンブラー達は一喜一憂しています。
不謹慎な話ではありますが、命の次に大切なお金がかかっているので、通常の観客とは真剣度が違うでしょう。

私も真剣に取り組んでいます。
多くのファンはスポーツの勝敗を注視し、健闘した選手を称賛する一方で、経済のことについては興味を持っていません。
「神聖な祭典でお金の話なんかするべきじゃない」
と考える潔癖な人もいます。
しかし、現実として資金繰りは死活問題です。
スポンサーの協力がなければ、オリンピックやパラリンピックはもちろん、プロ野球やプロサッカーなどありとあらゆるイベントは成り立たなくなります。
ただ開催するだけならできるかもしれませんが、莫大なお金を必要とするテレビ中継は不可能でしょう。
私達が居間でくつろぎながら選手の活躍を観戦できるのも、お金の流れがあってこそです。
オリンピックの主役はこの日の為に研鑽を続けてきた選手であり、猫賢者や貴方のような凡人が直接メダルを争うのは現実的ではありません。
しかし、経済的な面に限って言えば誰もが関わっており、それを通じて一攫千金を狙える立場にいます。
少なくとも商売人達はみんな、貴方がテレビに夢中になっているのを尻目に、新しい金儲けのアイデアを考えています。
テレビの向こうから、ただ声援を送るだけで満足ですか?
もしそうでないのなら、別の側面から自分なりの関わり方を模索してみてはいかがでしょうか?

やりたいことがないなら、何もかもつまらないと思うなら、金を稼ぐといい。
それはきっと貴方にスリルと喜び、そして痛みを与えてくれるだろう。
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