スクリル、ネッテラー日本顧客向けサービス終了と為替相場への影響

達人は道具を選ばない・・・わけないよな。
大変なことになりました。
海外資金移動サービス大手のスクリル(マネーブッカーズ)が、日本から撤退することになりました。
同様にネッテラーもすぐに終了とはならないものの、ギャンブルの利用はできなくなるそうです。
①Skrill
2016年9月30日をもって日本居住者の利用を停止。
日本からの入出金は一切できなくなる。
②Neteller
2016年9月15日より、ギャンブルを目的とする 決済処理サービスを停止。
オンラインカジノは利用できなくなるが、FXやバイナリーオプションは対象外のため利用可能。
スクリルと運営元が同じためサービス自体を停止する噂もあるが、まだ不明。
③Paypal
今のところ、特に変更なし。

なんてこったい!
とりあえずネッテラーが今すぐ使えなくなることはないようですが、明らかに圧力がかかっていますね。
おそらくオンラインカジノの逮捕事件がきっかけです。
<ネットカジノ客の男3人を逮捕 海外の会員制サイト「スマートライブカジノ」利用>
海外のインターネットのカジノサイトで賭博をしたとして、京都府警は10日、賭博(単純賭博)の疑いで埼玉県越谷市の制御回路製作会社経営、関根健司(65)▽大阪府吹田市の無職、西田一秋(36)▽埼玉県東松山市のグラフィックデザイナー、中島悠貴(31)-の3容疑者を逮捕した。
府警によると、無店舗型のオンラインカジノの個人利用客が逮捕されるのは全国初とみられる。
http://www.sankei.com/west/news/160310/wst1603100084-n1.html
一応FXやバイナリーオプション、CFDは日本の法律上ギャンブルとは見なされませんが、カジノは確実に賭博として扱われるようです。
ブックメーカーも多分同じでしょう。
日本政府は海外への送金サービスを停止させることで、公営以外のギャンブルを潰そうとしているのでしょうか?
それとも日本でカジノを作るのに先駆けて、海外のサイトを消しておこうと思ったのか?
競馬や競輪、オートレースなんて払い戻し率を考えれば損しかないのですが、それでも頑なに利権を守る気らしい。
スクリルが終了したことで海外FX業者との資金移動は不便にはなりますが、クレジットカードや電信送金があるのでまだなんとかなります。
ネッテラーやペイパルもまだ使えるでしょう。
それより、スクリルからの資金流出が何を引き起こすのかが気になりますね。
場合によっては、結構な円高圧力になるかもしれません。

スクリルやネッテラーにも円口座はありますが、オンラインカジノで遊ぶ人は米ドルにしているでしょう。
ギャンブラーがカジノから一気に資金を引き揚げれば、多額の米ドルが日本円に両替されることになります。
スクリルの預金総額がいくらかは知りませんが、口座数は400万を超えているそうです。
日本人の利用者が1割として、40万口座から一気に資金が引き出されれば、一体どれだけの円買いが生まれるのでしょうか?
もしかして、最近のしつこい円高トレンドは、海外サービス停止による資金の還流が原因だったりして。
だとすると、日本政府は自分の首を絞めていることになるが・・・
日本が金融鎖国を止めれば、円高なんてすぐに解消されそうなものですが、規制緩和の兆しは全くありません。
ここまで締め付けが強いと、本気で預金封鎖でもするんじゃないかと心配になってきます。
事件があったからといって、何でも禁止すればいいってものじゃない。
とりあえず規制を強化すればいいと思っている役人様には、正直腹が立ちます。

⇒SkrillとPaypal 国境を越えた送金サービス