ファンダメンタルズ分析は投資で成功する必要条件であって十分条件ではない

当たり前だよ! (っω・`。)
ファンダメンタルズとは、各国の経済指標(GDP、失業率、物価指数、国際収支など)から判断される経済状況のことで、多くの投資家はテレビのニュースや新聞などのメディアを通じて情報を収集し、自身の取引に役立てています。
トレーダーであればファンダメンタルズを把握しておくのは当然のことですが、情報を集めればトレードの勝率が上がるかといえば、そんなことはありません。
「日経新聞や四季報を読めば株式投資に勝てる!」
なんて考えている人はいないと思いますが、「ファンダメンタルズで株価や為替の動向を予測できる」という考えが少しでもあったなら捨ててください。
確かにGDP・失業率・金利といった経済情勢はレートを動かす要素ではありますが、世界中の全トレーダーがそれを把握しているのであれば、情報の質やスピードによるアドバンテージは全く生じません。
インターネットのなかった時代であれば世界各国の情報格差は大きかったので、アジア・欧米・オセアニア・アフリカといった地方の差を利用した戦略も有効でした。
日本の会社であれば、日本在住者のほうが情報が早く届くこともあったでしょう。
しかし、高速ネットワークで世界中が連結された現代においては、ニュースをいくら見ても先んじることはできません。
翻訳技術も発達したため、言語の壁も極めて薄くなりました。
英語ができない日本人が不利になることはあるけれど、世界のトレーダーに対して我々が有利になることは殆どないでしょう。

もちろん、本当の金持ちや要人であれば話は別です。
スイス中銀のフィリップ・ヒルデブラント総裁の妻であるカシュアが介入の数日前に米ドルを買って為替差益を得たように、事前に情報を仕入れることで多額の利益を出す個人や法人はいるかもしれません。
しかし、インサイダー情報もタイムマシンも持っていない貴方がいくら勉強しても、他のトレーダーを出し抜くことはできません。
高速通信が完備された社会において、ファンダメンタルズではトレーダーの差は付きません。
だからチャートを読む力が重要になります。
日本でもアメリカでも、投機ファンドのマネージャーでも我々素人でも、得られる為替チャートは同じです。
そのためテクニカル分析を駆使して市場の動向を掴み、資金管理を徹底することがトレードの成否を分けます。
「ニュースなんか見てる暇があったら一つでも多くのチャートを見ろ」
と言うベテラントレーダーもいます。

かといって、
「チャートさえあればファンダメンタルズなんかいらない。ニュースなんか見るな」
が正解かと言うと、そうではないとエセ賢者は思います。
この記事のタイトルにあるように、ファンダメンタルズは投資の必要条件なので、ある程度情報を仕入れておくのは投資家としての最低条件であると考えます。
例えば2016年にはイギリスのEU離脱を問う国民投票や米大統領選といった重要イベントがありました。
その影響で相場が乱高下し、多くのトレーダーが巻き込まれました。
また、毎月の経済指標では発表直後に為替レートが急落・急騰し、テクニカルなど完全に無視した動きをします。
そういった状況でテレビも新聞も見ず、淡々とチャートだけを見て取引していたらどうなるでしょうか?
理論もへったくれもないデタラメな上下運動に翻弄され、まともなトレードなどできるはずもないでしょう。

実際猫賢者は米雇用統計を忘れて寝ていたら、ポジションの決済メールが来て気付いたことが何度かあります。
あらかじめイベントの予定を調べておかないと、時として大きな損失を被ることもあります。
相場が大きく動く行事を把握しておけば、サプライズな結果が出た時も素早く対処することができます。
アベノミクスにおける日銀のETF買いが日経平均を底堅くしているように、政府や企業の活動から値動きの理由をある程度把握することもできます。
ファンダメンタルズで毎日の値動きを予想することは無理ですが、それを全く知らないのも問題です。
最低限のニュースは目を通してから、チャートに向かいましょう。

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