ESG投資で環境保護に貢献する一方で、ミサイル開発を支援するGPIFの矛盾
2017-09-19|経済を考える

そんなもん掴んでどうするんだよ!? ( ノД`)
株式市場に膨大な年金をつぎ込んで株価を吊り上げているGPIFが、その資金の一部(1兆円)をESG投資で運用することを発表しました。
ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の視点から企業を評価して、優秀企業に投資する運用手法。
エコポイントなどの政策と同様、環境に貢献する企業を公的機関がサポートしていく方針のようです。
GPIFが株価を上げてくれるなら、これからは社会貢献度で株を選ぶのもいいかもしれませんね。
「人の金で勝手に善人ヅラすんじゃねぇ!」
って気もしますが。
オリンピックには世界最大の費用をかけ、海外へ多額ODAを送っていますが、いったいどこからそんなお金が出ているんでしょうか?
日本一の借金大国にそんな余力があるのが、いつも不思議でたまりません。

支援するのはいいけど、自分の金でやってくれ。
一番の目的は補助金を送って天下り先を確保することでしょうが、ESG投資自体が悪いとは言いません。
建前とはいえ、一応社会貢献をしているわけですからね。
しかし、それを行っている一方で、GPIFが戦争に加担しているという事実も忘れてはいけません。
東京新聞によると、GPIFは現在軍事上位10社の株を保有しているそうです。
実際は個別株だけではなくETFを通じて国内外の企業に投資しているのかもしれませんが、それでも年金から武器の製造へ投資が行われているのは事実です。
東京新聞 GPIF年金運用 軍事上位10社の株保有
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201709/CK2017091702000126.html
東京新聞によると、日銀が株を保有しているのは上位100社のうち34社で、金額は1.3兆円以上。
国内では三菱重工業、三菱電機、川崎重工業など。
海外の企業ではステルス戦闘機やミサイルの開発も行われているようです。
スウェーデンやノルウェーの年金基金には軍事産業などに投資をしないルールがありますが、日本にはありません。
憲法で戦争を禁止してはいても、軍事産業を支援するのは自由なんですね。
もちろん、兵器を製造する全企業が社会悪というわけではありません。
警察の装備や国土の防衛に貢献している企業も、当然あります。
しかし、社会保険料の名目で国民から徴収したお金が、人を殺傷する兵器の開発に使われているのは事実です。
国民全員に負担させるのなら、そういった話も周知しておくべきではないでしょうか?

「株式投資は利回りが重要」
「運用で社会保障費を賄うのが目的であって、投資先がどこかは二の次だ」
という意見ならわかります。
エセトレーダーとしては、まったくその通りだと思います。
しかし、GPIFが運用益を上げて、私達の生活は楽になったでしょうか?
年金受給者の収入は増えて、現役世代の負担は減ったでしょうか?
そうはなっていませんよね。
日本国民には何も還元されず、追加緩和によってETF購入量だけが増え続けました。
本当に地球環境やモラルを守ろうと思うなら、兵器メーカーへの資金供給をストップすれば済むはず。
それを放置して、新たにESG投資を導入したのは何故でしょうか?
投資する対象がなくなったから、今度は「環境保護」の大義名分を使って、さらに投資できる企業を増やそうとしているのではないでしょうか?
どんな理由であれ自党のスポンサーに投資して、一部の既得権益層が儲かればいいのかもしれません。

株式投資はただのマネーゲームではありません。
株式を買うことで株主となり、その事業を応援することでもあります。
環境保護団体に出資して、野生動物を守るのもいいでしょう。
ベンチャー企業に投資して、未来の技術に賭けるのもいいでしょう。
アニメやゲームの会社を支援して、面白い作品を作ってもらうのもいいでしょう。
しかし、それはあくまで個人が自分のお金でやることであって、国が決めることではありません。
国民の声を無視して勝手に血税や年金を特定の分野につぎ込むのは、日本国民への裏切りに他なりません。

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