為替チャートと綱引きの違い
2017-10-14|FXのカラクリ(初心者向け)

それじゃゲームにならないよ! (ノ_<)
FXのチャートをテクニカル分析していると、まるでチャートが自分の意思で動いているように思えてきます。
レジスタンスやサポートにぶつかって跳ね返ったり、ブレイクアウトで上昇していくのを見ると、地球の物理法則に従っているようにも思えます。
しかし、為替レートは決してアメーバのように自分で運動しているわけではありません。
あくまで「人間が動かしている」ということを忘れてはなりません。
そう言うと「誰か黒幕がいて、そいつが思うままに操っている」という独裁者的なイメージを抱くかもしれませんが、それも間違いです。
仕手株ならともかく、膨大な資金が常に流れている為替レートを単一の勢力だけでコントロールすることはできません。
ブルとベアの2つの勢力がぶくかり合い、上昇と下降を繰り返すからこそ、ジグザグなチャートが形成されます。

相場は、2つの勢力が争う綱引きのようなものです。
チームブルは、価格の上昇に賭けて買い注文を入れます。
その一方でチームベアは、価格の下落に賭けて売り注文を入れます。
ベアよりブルの注文枚数が大きければ、価格は上昇してブルの勝利になります。
ブルよりベアの注文枚数が大きければ、価格は下落してベアの勝利になります。
実際の取引はもっと複雑ですが、大まかに強い方にレートが引っ張られると考えてください。
互いに目的地を目指して綱を引き、押し合い圧し合いで動かした結果が、為替チャートとなって画面上に現れます。

この貴方はこの綱引きでどちらかのチームに所属して勝利を目指すわけですが、普通の綱引きとはいくつか違いがあります。
・いつでも所属するチームを替えていい
・参加せずに傍観していてもいい
・綱の移動距離は見えるが、参加者の姿は見えない
・参加者は大人も子供もなく、人間ですらないこともある
・プレイヤー間の差が大きく、個人はほぼ無力
・引っ張られすぎるとストップロス注文が発動し、一気に傾いてしまう
帰属するチームに忠誠を尽くすなんてスポーツマンシップは、相場では要求されません。
ひたすら勝ちそうな方に付いて、旗色が悪くなればドテンします。
超高速取引という、一秒間に何十回と勢力を替える輩もいます。
学校の運動会とは異なり、相場の綱引きは誰もが参加できます。
我々のような弱小個人投資家もいれば、何兆円も動かせるヘッジファンドもいます。
既に大半はアルゴリズムで運用されており、資金量で言えば人間の裁量取引の方が少数派です。

たまに猫もやってます。
膨大な資金が動く為替相場では、個人の100万や1000万といった小銭は塵みたいなものです。
エセトレーダーが全財産を投入しても、お祈りをしても、相場は1ミリも動きません。
トレードで勝とうと思うなら、チャートや板情報からどちらが優勢かを判断して、強い方のトレンドに付くしかありません。
決して自分の力で勝とうと思ったり、ロングとショートのどちらかに拘ってはいけません。
といっても誰が取引しているのかは直接見えないので、テクニカル分析やクソポジチェッカーを利用するといいでしょう。
チャートはただの一本の線にしか見えませんが、その背後では二つの勢力の熾烈な殴り合いが行われています。
ずっと見続けていると波のような自然現象と錯覚したり、ランダムに動いていると思い込んでしまう時もありますが、そんな時は値動きの裏にある思惑について考えてみましょう。

戦いは今も続いている・・・
⇒クソポジチェッカー
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