税制を改正しても貧富の差がなくならない理由

そもそも働いてなかった。 (。´・(ェ)・)
2018年度の税制改正では、高所得層を中心に給与所得控除の縮小を検討しているそうです。
よっぽど財務状況が悪いのでしょうか?
富裕層の控除が減って貧困層の負担が減るなら有難い話だと感じるでしょうが、実際にはたいした効果はないと思います。
少なくとも、高所得者への課税によって貧富の差が縮まることはないでしょう。
なぜなら、本当に格差を作り出しているのは所得ではなく、資産のほうだからです。

日本における単身世帯の平均資産は、942万円だそうです。
みんな結構貯金があるんですね。
しかし、エセ賢者の周りを見ると、そんなに余裕のある人は多くありません。
ほとんど貯蓄がないか、借金を抱えた人までいます。
それもそのはず。
日本人の世帯のうち、31.2%は金融資産ゼロなのだから。
平均値は942万円でも、中央値は32万円。
一部の富裕層が平均値を引き上げていただけで、日本人全員が均等に豊かになったわけではないのですね。
資産の格差が広がっているのは、日本だけではありません。
貧困撲滅に取り組む国際NGO「オックスファム」によると、世界のトップ8人の資産は下位36億人が保有する資産と同等なんだそうです。
ほんの一握りの人々が世界の富を占有するのが、資本主義の宿命なんですかね。

「貧富の差を縮めたいなら、所得税や控除を見直せばいい」
と考えるかもしれませんが、それは違います。
富裕層の収入源の大半は勤労所得ではなく、株式や不動産のインカムゲイン(配当や家賃収入)だからです。
一般のサラリーマンが毎日残業をして給料を増やそうとしても、累進課税によって税金が増えるので、それほど手取りは上がりません。
一方、富裕層の収入はNISAや申告分離課税などの優遇措置を受けるので、増税の影響を受けません。
これでは格差が縮まるどころか、かえって固定化されてしまいますね。
もしも貧富の差を解消したければ、収入ではなく資産の方に課税しなくてはなりません。
企業の内部留保や保有株式に課税したり、固定資産税を強化すれば、金融資産の差は縮まっていくでしょう。
貯め込んでいたお金が市場に回ることで、景気も良くなるかもしれません。

現在のアベノミクス景気は「いざなぎ景気超える戦後2番目の景気拡大」と言われながらも個人消費が全く伸びておらず、円安による輸出に支えられているのが実態です。
いくら紙幣を刷っても、それを必要とする人に渡らなければ循環しないのは当たり前です。
人間一人が必要とするお金にはそれほど差がないので、消費者が多いほど出費は増えます。
ごく一部の人に資産を集中させることが、どれだけ景気に悪いのかは言うまでもありません。
今の社会は一般のサラリーマンより、インカムゲインで稼げる資産家がかなり優位にあります。
我々投資家が成功しようと思うなら、なんとかして資産を築き、運用する側に回らなくてはなりません。

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