株を買うよりも空売りの方が儲かるというのは本当か?
2017-12-12|FXのカラクリ(初心者向け)

どっちを選ぶか悩む! (。>(ェ)<。)
空売りの塾などを見ていると、たまに次のような売り文句を見かけることがあります。
株式投資は7割の人が負けている。
彼等の殆どは株を買うだけで、空売りをしていない。
勝つためには大多数の人と同じことをしてはいけない。
だから、空売りをする必要があります。
他にも、
・下落は上昇の三倍の速度だから、すぐに儲かる
・空売りなしに株を取引するのは、片手でボクシングをするようなものだ
なんて意見もあります。
いくつかの情報商材では、これでもかと空売りの優位性を強調しています。
これらの話を聞いていると、なんとなく正しそうに聞こえてきます。
しかし、明らかに詭弁です。

7~8割の個人投資家が株で負けているのは事実ですが、それはショートをしないからではありません。
トレンドに逆らったり、損大利小になっていたり、資金管理ができていなかったりするからです。
ベテラン投資家は、売りでも買いでもきちんと勝ちます。
「でも大抵の人が買うなら、売りに回った方が有利なのではないか?」
と考える人もいるかもしれませんが、それは間違いです。
むしろ逆。
FXや商品先物ではなく株式投資に限って言うなら、売りより買いの方が有利です。
その理由は色々ありますが、
「株価を下げたいと思っている経営者など一人もいない」
というのが一番わかりやすいでしょうか。
今でこそ株券はマネーゲームの道具になり果てていますが、本来は事業を拡大するための資金調達手段の一つです。
株式上場によって得られた資金を元手に会社は生産を伸ばし、事業を拡大させます。
事業がこけて赤字を出せば別ですが、利益が出て企業価値が上がれば、自然と株価は上がります。
少なくとも、社長も従業員も自社の株価を上げるために日夜懸命に働いているはずです。
近年の強烈な株価上昇は日銀やGPIFが湯水のように公金をばら撒いたせいですが、日本中のサラリーマンの血と汗と涙の結晶がもたらした部分も確かにあるでしょう。
実際に日米を含む世界中の株式指数は、何度も暴騰と暴落を繰り返しながらも、トータルとしては上昇してきました。
単純に買えば儲かるというものではありませんが、どちらかと言えば買いの方が有利というのは間違っていないわけです。

では、FXもショートよりロングの方が有利なのか?
ビットコインも売るより買った方がいいのか?
ゴールドやシルバーも買って金庫に置いておけばいいのか?
というと、それは話が違います。
FXは株式会社のような単一の組織ではなく、二つの国家に関する取引です。
米ドルと日本円のように二つの通貨の強弱で為替レートが決まるので、どちらかの事情だけに依存することはありません。
日本銀行は金融緩和を進めているので円安に圧力がかかりますが、FRBとて極端な通貨高を望んでいるわけではありません。
中央銀行や政府以外にも様々な経済情勢が反映されるので、単純に国家の経済成長率から為替変動を読み解くのは無理でしょう。
FXにおいてはロングに専念する意味は全くなく、両方の面からフラットに見るべきだと思われます。

ビットコインのような暗号通貨やゴールドなどの貴金属も、どちらかに優位性があるわけではありません。
貴方がそれらを買ったとしても、誰かがその資金を元手に事業を興すわけではないからです。
あくまで投機的に売買が交錯して、価格が上下するのみです。
株式投資もFXも商品先物も、短期的なレート変動が予想できないのは同じです。
個別銘柄になれば、その投資対象次第でテンバガーにもなるし、紙屑にもなり得ます。
しかし、何年何十年もの長期スパンで見た株式投資は若干特殊で、企業が経営努力をした分だけ上昇圧力がかかります。
複数の分野に取り掛かる投資家の方は、その違いを認識しておくといいかもしれません。

やっぱり違うよなぁ。
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