るろうに剣心 -北海道編を休載に追い込んだ児童ポルノ法が悪法と断定できる理由

ちっちゃいものが好きです。
人気漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚』の作者、和月伸宏氏(本名・西脇伸宏)が、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(単純所持)容疑で、警視庁少年育成課に書類送検されました。
かつて木刀を見れば九頭龍閃を放ち、石を見れば二重の極みを撃っていたエセ賢者としては、非常にショックです。
緋村抜刀斎のごとく政府の要人を斬ったならともかく、こんなことくだらないことでるろ剣が連載休止になるなんて、本当にふざけた話です。
連載当初からのファンとしては、国家権力の横暴に猛抗議したいところです。
少女の裸を映したDVDを購入したということは和月氏にはペドフィリアの傾向があるのかもしれませんが、若くて将来性のある女性を愛でるのは男性であればおかしなことではありません。
織田信長の妻の濃姫は14歳 、豊臣秀吉の妻も高台院も14歳、徳川家康の妻の築山殿は15歳で結婚しました。
崇源院など9歳以下で結婚したという女性もいるので、むしろ平均初婚年齢が30歳近い現代の方が異常に思えます。
かくいう猫賢者も、紛れもないロリコン。
一糸纏わぬ幼児の写真や動画を大量に保管しているので、いつ官憲の操作が入るかわかりません。
全く、他人事じゃないのです。


子供が大好き。ただしネコに限る。
「このロリコン!」と罵られるなら、甘んじて受けましょう。
変態紳士として、子猫への愛を否定することはできません。
しかし、それが犯罪だというなら、はっきりと否定します。
なぜなら、児童ポルノ法は本来の法律の役割から外れ、プライベートスペースを侵害しているからです。
「プライベートスペース」と「パブリックスペース」の関係を理解してもらうには、自動車の運転を思い浮かべてみるとわかりやすいでしょう。
公道を自動車で走るには、運転免許が必要です。
免許を携帯せずに車を運転したら、無免許運転の罪で捕まってしまいます。
しかし、よくよく考えると、全ての場所で免許が必要なわけではありませんよね。
例えば、自動車運転教習所で運転の練習をしている人達は、当然免許を交付されていません。
けれど、間違いなく車を動かしています。
また、遊園地のゴーカートも一応自動車ですが、未成年が運転しても問題ありませんよね。
なぜそういった場所で運転しても罪にならないかというと、「一般交通の用に供する場所」ではないからです。
他に誰もいない私有地で誰が何を運転しようと、道路交通法は適用されません。

もう一つ例を挙げましょう。
貴方は家で着替えをする際、必ず裸になりますよね。
まさか衣服を着てお風呂に入る人はいないでしょう。
全裸になること自体は、罪にはなりません。
しかし、他人に見られる場所で衣服を脱げば、わいせつ罪で処罰されます。

もうおわかりですよね。
それが犯罪になるかどうかは、その場所がパブリックスペースかどうかで決まります。
元々集団生活において、ルールとは他人を害さないという目的で作られました。
公の場所で不快な言動をしたり、他人に危害を加えるこがあれば、それを取り締まらなければならないわけです。
逆に言えば、全く人目に触れない場所で、他人に損害を与えないのであれば、司法はそれに手出しをしません。
他人の物を捨てたり壊したりすれば賠償責任が発生しますが、自分の所有物を壊すのは問題にならないでしょう?
他人を殺したら重罪ですが、自殺した人が裁判にかけられることはないでしょう?
自己責任の範囲に、他人が口を出す権利はないのです。

太平洋戦争時の日本には、治安維持法という史上最悪の悪法がありました。
社会の秩序を守るという題目で様々な思想家や宗教家、政治家や弁護士が弾圧され、64万人もの人々が不当に拘束されました。
それが悪法と言われる理由は、共産主義者や無政府主義者などの定義が曖昧で、誰でも逮捕できる内容だったこともあります。
しかし、それ以上に思想という本来他人が立ち入ってはならない場所に踏み入ったことが最も大きな原因だと思います。
貴方が共産主義者だとして、それが他人の財産を犯すことになるのか?
貴方が剣術漫画の愛好家だとして、それで人を斬り殺すのか?
貴方が幼い子供に興味を持ったとして、それが誘拐や暴行に繋がるのか?
その明確な証拠がないのに他人を裁くのは、冤罪以外の何物でもありません。
明らかに人に触れないプライベートスペースの行為に、他人が文句を言うこと自体がおかしいのです。

昔から腐った官僚達は様々な規制を作って人々の自由な活動を妨害してくれていますが、近年は殊更に酷くなっている気がします。
児童ポルノ法のように、プライバシーの権利を侵害する歪んだルールも珍しくありません。
人間は社会的動物であるが故に、パブリックスペースでの振る舞いは十分に気を付けなければいけません。
しかし、その一方でプライべートスペースは神聖なものであり、実害がない限りは尊重しなければならないのです。
その基本概念を念頭に置いた上で、制約を加えるべきかどうか判断してほしいものですね。

⇒かわいいは正義 魅力に勝る力なし
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