ブラック企業しか就職できない社会の仕組み
2018-01-11|経済を考える

帰らせてくれよ! ( ノД`)
フリーになってから思い返すと、ニート賢者が長年勤めていた会社は見事なブラック企業でした。
規則ではサービス残業禁止を謳いながら、組合で時間外活動のオンパレード。
社員には、社内製品やスポーツチケットを強制購入。
もちろん、有給休暇はほとんど取れない。
毎月のようなコンパでお金と時間が消えていく。
しまいには経営者が宗教にかぶれて、カルト宗教団体のようになっていました。
新卒で最初に入った事業所は業績が悪く、破綻寸前でした。
どう頑張ろうが甲斐はなく、二年もしないうちに事業が立ち行かなくなって、追い出されました。
次に入ったところは、ワタミも真っ青なブラック。
前任者が5人連続で止めたパワハラ上司の下で、1年もしないうちに転属願いを出しました。
その後も職場を転々としましたが、ろくなところはありませんでした。
どうしてこんな腐った会社に新卒で入ってしまったのか?
よほど運が悪かったのか?
そう思ったのは、一度や二度ではありません。

しかし、今考えるとそれは偶然ではなく、必然だったのだとわかります。
不運でも誰かに嵌められたのでもありません。
日本の全企業が、エセ賢者がいたような悪徳企業なわけではありません。
ただ単純に就職すると、普通に就職したらブラック企業に当たる可能性が極めて高いだけです。
仮に日本企業の90%がホワイトだとしても、転職先は残りの10%になるでしょう。
なぜなら、その90%は既に埋まっているからです。
高給で安定した仕事であるなら、その席が空くことはまずありません。
既に就いている人はなかなか辞めないだろうし、定年や寿退社で欠員が出ても他の人がすぐに埋めてしまうでしょう。
大々的に募集しているということは、何らかの事情で欠員を補充できないか、新規に始めた仕事である可能性が高い。
もちろん中には例外もありますが、それはレアケースです。
待遇や人間関係に問題のある部署なら、新入社員にもその災難が降りかかってきます。
新規事業であるのなら制度や設備に不備が伴うため、軌道に乗るまでは苦労も多いでしょう。
猫賢者が昔携わった新製品開発の仕事は設備が未完成なものばかりで、頻繁に事故を起こしました。
ポカヨケもインターロックもない設備で事故が起きても、当人の責任にされる酷い有様でした。
何が起きても「当人の努力不足」と始末書で片づけるのが、ブラック企業のお約束です。

過酷な労働環境だから、人が足りなくなる。
新人が入ってもすぐに辞めて、また新しい被害者が出る。
これがネコでもわかる、誰もがブラック企業に就職してしまう仕組みです。
貴方がこれから就職あるいは転職するつもりなら、高い確率で同じ目に遭うことは覚えておいた方がいいでしょう。
もちろん、これを回避する方法もあります。
・企業研究を十分に行い、社員から実情を聞いてブラック企業を避ける
・親戚や友人のコネを使い、特別に仕事を回してもらう
・レアな資格や技能を取得して、他の人と競争しない仕事に就く
・就職してから自分で環境を変えていく(もちろん時間はかかる)
・自分の会社を作る
・特定の勤め先を持たない、フリーランスとして生きる
・FXや株式投資、不動産投資など、給与外収入で生きる
・専業主婦などで扶養に入る
考えてみれば、方法はいくらでも思いつくでしょう。
コネを探してもいいし、当たるまで退職と再就職を繰り返してもいい。
宝くじや仮想通貨投資で一山当てれば、働く必要すらありません。
ただ漫然と募集の多い職種に応募したり、上場企業だからといって安易にエントリーすると、後々大変なことになります。
単純にハローワークに行っても良い仕事には就けないのは、覚えておかないといけません。
この競争社会で過度な負担を受けずに十分な収入を得るためには、ほんのちょっとの手間と工夫が必要なのです。
