アベノミクス株価は割高なのか割安なのか

値段の問題じゃない!
2017年の日経平均株価は大幅に上昇し、26年ぶりにバブル後の最高値を更新しました。
2018年に入っても円高に反して株価は堅調で、総じて強い状況が続いています。
エコノミストの多くはこれだけ上がってもまだ天井とは言わず、
「株価はまだまだ安い。日経平均はこれから3万円を目指して上昇する!」
と豪語しています。
エセ賢者のような素人からすると2万円でも高すぎるのに、どうしてこんな強気の予想ができるのでしょうか?
彼等が株価を割安と考える理由としては、
・過去のバブルの最高値(1989年末の最高値3万8915円)より株価が低い
・PER(株価収益率)が15倍程度しかない
・他国の株価(特にダウ)に比べて日本株は遅れている
といった点が挙げられます。
バブル期ほど株価もPERも高くないのだから、まだまだ上昇余地があるということですね。
しかし、このPERが低ければ株価が割安であるという考えも、必ずしも正しいとは言えません。
PER=時価総額÷純利益
なので、時価総額に対して利益率が高ければ、PERは低くなります。
アベノミクスで大企業の利益が増えて、内部留保が史上最大に達しているのは周知の事実。
一部の企業に利益が集中しているのなら、株高にも関わらずPERがさほど上昇しないのは当然かもしれません。

現在の株価は確かにバブル期の頂点より低いのですが、それが比較対象として妥当かは疑問です。
物価も給料も為替レートも、今の時代とは全く違っていますからね。
単純に数字だけ比較して、「安い」と判断するのは危険です。
参考のためにもう一つ、株価の割高・割安を考える指標として、「バフェット指数」を見てみましょう。
バフェット指数は名前の通りウォーレン・バフェット氏が考案した指標で、
バフェット指数=時価総額÷GDP
で表されます。
バフェット指数が1倍を超えると国力に対して高すぎることになり、株価は割高と判断されます。
2018年現在の日本株のバフェット指数は、だいたい1.3倍。
それに対して、過去のバブル期は1.4倍。
現在の日本株はバブル期に近く、かなりの割高ということになります。
もちろん、バフェット指数も一つの尺度でしかありません。
それが1倍を超えたからといって、上昇トレンドが終わるとは限りません。
はっきり言えるのは、モノの値段には色々な評価方法があるということ。
有名な経済評論家がもっともらしい数式を使って持論を展開したとしても、それを鵜呑みにしてはいけないということです。

猫賢者は日銀のETF購入(20兆円以上)によって嵩上げされた日本株は相当割高と考えていますが、その解釈も正しいかはわかりません。
いずれ日経が3万円を超えて過去のバブルに届くようなら、その考えが誤っていたことを認めることでしょう。
経済は複雑で、無数の要因が絡み合って成り立つもの。
ただ一つの計算で読めるほど単純なものではないので、複数の側面から考えるように心がけましょう。

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