人間を根本から変える『一貫性』の力

黄金の精神は古代から受け継がれていた!? Σ(゚д゚|||)
株を買う前には上がるか下がるかは、半信半疑。
宝くじにしたって、当たってほしくはあるけど、どうせ当たらないと心の中ではわかっています。
しかし、実際に買った後も同じように考えているかというと、どうやらそうではないようです。
元々はたいして自信のない賭けでも、自分が賭けた後はそれが当たると信じるようになります。
状況も変わっていないし、新しい情報が入ったわけでもないのに、当人の認識は変わってしまうのです。
行動の前後で、なぜ考えが変わるのか?
それは、人間には一貫性という強力な性質があるから。
過去の行動との矛盾を避け、整合性を取るようになっているからです。
一度お金を払い、手を出してしまったら、貴方はもう以前の貴方ではありません。
取ったポジションは大切になり、間違いを認めることは難しくなっているでしょう。
塩漬けを正当化するために、自分に都合の良い情報を探すかもしれません。
含み損の銘柄が上昇した時のために、ナンピンを繰り返すかもしれません。
優れたトレーダーになりたければ、自分の願いによって判断にバイアスがかかっていることを理解しておきましょう。
失敗は失敗なのだと、ないものはないのだと、きちんと認めることが大事です。

以上の話を聞くとこの一貫性は悪い性質のように感じるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
むしろ、この本能があるからこそ人間は自分を変革し、成長することができるのです。
もしも貴方がバスに乗って、老人や妊婦に席を譲ったとしましょう。
それは社会全体にとってみればありふれた親切かもしれませんが、貴方自身には大きな意味を持ちます。
貴方は別段博愛精神に溢れているわけではなく、たまたまタイミングが良かったり、ほんの気まぐれだったかもしれない。
けれど、その親切はきっと、「私は親切な人だ」と貴方自身に教えるでしょう。
そして、次にバスや電車に乗る時も、また同じように弱者に席を譲るでしょう。
貴方の行為は世界を変えたわけではないけれど、貴方自身はすっかり変わってしまったわけです。

このように、一度取った行動は当人の存在を規定し、それを成すための力をもたらします。
ダンスを踊ることで、人はダンサーになります。
ピアノを弾くことで、人はピアニストになります。
トレードをすることで、人はトレーダーになります。
今の自分でない何かになりたいのなら、今までにしたことのないことをするしかありません。
それが善行であれ悪行であれ、全ての活動は人間を変質させます。
使い方を誤れば、上記で述べたような袋小路に迷い込むこともあります。
だから、人が見ていない場所であっても、自身の言動には十分気を付けなければなりません。
世界一のネコマニアで知られる猫賢者は、最近ウサギを飼い始めたことで、ウサギ愛好家になってしまいました。
あれほどの変態性癖を捻じ曲げるほどに、一貫性の力は強力なのですね。
まぁ、猫も兎もいけるケモナーになっただけ、という気もしますが。
貴方が理想の自分になりたいと願うのなら、それに近づくために必要なアクションを選ばなければなりません。
ただ考えるだけでは現実は変わらないし、貴方自身も変わりません。
人の性格は先天的な才能や周囲の環境に左右されますが、それ以上に貴方が決意し、実行に移したことに大きく影響を受けます。
現状があるのは、これまでの何千万もの選択の結果であることを忘れてはいけません。
「この先何をするのか」は、「この先どんな自分になるのか」と同意義です。
今この瞬間にも、貴方は貴方自身を創造しているのです。

⇒思考が変われば行動が変わるが、行動を変えても思考が変わる
⇒朝令暮改 FXで筋を通すのは止めよう
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