プロ野球選手の年棒はなぜサラリーマンより高いのか?
2018-03-30|経済を考える

低収入で悪かったな! (´;ω;`)
企業家や資本家以外で給料の高い仕事というと、スポーツ選手が真っ先に思い浮かびます。
例えば、日本ではプロ野球の年棒が極めて高い。
ソフトバンクの柳田悠岐は、5.5億円。
西武のエルネスト・メヒア、オリックスの金子千尋は5億円。
大企業に勤めるサラリーマンの年収が500万円ぐらいなので、だいたい100倍ですね。
ニート賢者は無収入なので、何千倍しても届きません。
もちろん全てのスポーツ選手が高給取りなわけではありませんが、一般の家庭に比べると高収入なのは確かなようです。

サラリーマンとアスリートで、どうしてこんなにも大きな収入差があるのでしょうか?
天才と凡人では能力に大きな差があるから?
それとも、業務内容が専門的で真似できないから?
プロの選手の運動能力が一般人より高いのは間違いありませんが、流石に100倍も差はありませんよね。
時速150キロの速球を投げたり打ったりする技術は素晴らしいものですが、プログラマーや医者、アニメーターだって真似できない専門技術を持っています。
能力や専門性が給料に直結しているとは考えにくい。
では、一体なにが格差を生んでいるのでしょうか?
答えは、客の数です。
2017年の公式戦の観客動員数は、2513万9463人。
テレビ中継なども含めれば、もっと多くの日本人がプロ野球を観ていたことになります。
エセ賢者は全く興味ありませんけど。
人数が多ければ、それだけ大きなお金が動きます。
数千万人のチケット代や大企業のCM料が少数のプレイヤーに集中すると考えれば、5億円の年棒も頷けます。
要するに、野球ファンが沢山いるから野球選手の給料は高いんですよ。
最近はサッカーの方が人気ですが、平均年収としては野球の方が高めです。
試合回数が野球の方が多いので、その分が反映されているそうです。
ヴィッセル神戸のルーカス・ポドルスキ(6.4億円)のような例外もいますが。
ちなみにインドのクリケット選手の年棒は、なんと27億円だそうです。
流石に12億人の市場は桁が違いますね。
なんでもインドでは、クリケット版「巨人の星」が放映されているとか。
運動神経の良いお子様はぜひクリケット部に入れて、一流プレイヤーに育てましょう。

日本はせちがらい。
多くの若者は、自分の適性や嗜好で部活・進学・就職を決めます。
中には好きなスポーツや芸術、ゲームや漫画など、ニッチな分野で生計を立てていこうとする人も少なくありません。
しかし、「そこに十分なお金が流れ込んでいる」という確認はしているでしょうか?
貴方が無理なく食っていけるほどの需要が、その業界に存在するでしょうか?
ただ「やりたいこと」だけを考えて進路を決めると、知らないうちに大きなハンディキャップを背負うこともあります。
世間の親御さんが子供にメジャーな部活や習い事をやらせようとするのは、そういった需要を踏まえてのことかもしれませんね。
くれぐれも冬季オリンピックに釣られてカーリングやフィギュアスケート、ボブスレーを始めたりしないように。
宇宙船の部品はごく一部の企業にしか売れないし、特定ジャンルの同人誌は同じ嗜好を持った人にしか売れません。
どんなに才能があって努力をしたとしても、市場規模次第では報われないこともあるわけですね。
薄給なのは、当人の能力が低いからではありません。
ただお金が集中する場所を選んでいないからです。
スポーツマンが何万人も観客がいる場所でプレイするように、トレーダーが何兆円も飛び交う市場で取引するように、常にお金が集まっている場所に身を置くように心がけましょう。

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