無能な働き者は銃殺するしかない

どうしたらいいんだよ!? (´;ω;`)
「ハンス・フォン・ゼークトの組織論」
軍人は4つのタイプに分類される。
有能な怠け者は司令官にせよ。
有能な働き者は参謀に向いている。
無能な怠け者も連絡将校か下級兵士くらいは務まる。
無能な働き者は銃殺するしかない。
「クルト・フォン・ハンマーシュタイン=エクヴォルトの組織論」
私は将校を4種類に分類する。
賢明な者、勤勉な者、愚鈍な者、怠惰な者である。
ほとんどの将校は、このうちの2つの属性を併せ持つ。
一部の者は賢明かつ勤勉であり、参謀本部に置くべきである。
次に愚鈍かつ怠惰な者――彼らはすべての軍人の90%を成すが――ルーチンワークに適している。
賢明であり同時に怠惰な者は、最高管理責任者に適任だ。
重要な決断に必要な、明晰な頭脳と図太さを持つ。
気を付けるべきは、愚鈍であると同時に勤勉でもある者だ。
責任ある立場に就かせるべきではない。
常に損害を引き起こすことしか行わないからである。

これはドイツの軍人が唱えたとされる軍人の分類です。
実際にこの二人の持論が後世に正確に伝わったかは定かではありませんが、現代にも通じる点が多い。
特に、無能な働き者は始末に困るという点。
「バカな味方は敵より恐ろしい」
と言えば、多くの人が頷くのではないでしょうか?
有能な働き者は言うに及ばず、怠惰で頭が悪い人にだって適した役割があります。
しかし、愚鈍で勤勉な人だけは使い道がない。
というより、使ってはいけない。
貴方の身の回りにも、行動力はあるけど空回りしている人はいないでしょうか?
仕事をしているはずなのにかえって仕事を増やしたり、問題を解決する代わりに大きくしている人はいないでしょうか?
きちんと上司が指示していれば大丈夫ですが、そういった人が上司になると会社全体が悲惨になります。
ちなみにニート賢者は無能ですが、怠け者なので一応大丈夫なはずです。
しかもフタユビナマケモノではなく、ミユビナマケモノ。
哺乳類でありながら体温調節すら忘れた変温動物。
南アメリカの熱帯林で、生涯のほとんどを樹にぶら下がって過ごします。
DNAからして正真正銘のナマケモノなので、無能な働き者になる可能性は皆無です。

無能な働き者の害は、個人投資家においても顕著です。
なぜなら、トレードとは種銭という兵力で市場という戦場に挑む、一種の戦争行為だからです。
指揮官が有能かつ勤勉であれば、敵軍を打ち破ってどんどん勢力を拡大していくでしょう。
勤勉でなくても有能であれば、戦闘の頻度は少なくてもここぞという時に勝利してくれるでしょう。
無能でも怠惰なら、まだいい。
戦闘回数が少なければ、犠牲を最小限に抑えられるからです。
生き残っている間に成長するなり、優秀な人が立てた作戦に変更する可能性もあります。
しかし、無能で勤勉な人だけはダメです。
まずい戦術を実行し続ければ、兵士はどんどん死んでいきます。
期待値の低いトレードにハイレバで資金をぶち込めば、考え直す暇もなく破産することでしょう。
無能な働き者になるぐらいなら、無能な怠け者になったほうがまだマシなんです。
ニート賢者だって、好きで無職やってるんじゃないんですよ!

問題なのは、日本社会が能力に関係なく「勤勉さ」を評価基準にしていること。
その人の行動がプラスかマイナスかに関係なく、積極的に行動する人を称賛する傾向があることです。
会社ではとにかく声が大きくてよく動く人が出世します。
たとえ実績が伴わなくても、部下を何人を辞めさせても、毎日深夜まで残業する人が評価されます。
逆に最低限の時間で効率的に業務をこなし、残業ゼロで帰る人は低評価を受けやすい。
事業は動かなければ結果は出ない。
結果は後からしかわからないのだから、アクティブな人が注目されるのもわかります。
しかし、それは大事なのは皆にとって正しいことをすることであって、非効率な仕事をやり続けることではありません。
よく働くことだけを理由にして人を担ぎ上げるのは、非常に危険だと言わざるを得ません。

現代人は、とにかく暇を嫌がります。
時間やお金が余っていればチャンスがなくてもトレードを始めるし、生活保護者にはどんな仕事でもいいから働いてほしいと考えます。
けれど、それは間違いです。
内容を吟味せずに行ったことは、何もしないより遥かに悪い結果につながることもあるからです。
思いつきのトレードや、政府が立案したニートの農業体験が上手くいくと思いますか?
チャレンジするのは、とても大切なこと。
しかし、何でもいいからやればいいというものではない。
特に組織の長であるのならば、進むべき道を間違えてはいけません。
努力しているのに上手くいかない人、何度やっても損失しか出ない人は、
ちょっと怠け者になって、自分を見つめ直してみるのもいいかもしれません。

あえて働かないのも立派な仕事です。
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