怒りや憎しみや嫌悪を跡形もなく消滅させる方法

猫なら仕方ないか・・・
世の中は腹が立つことばかり。
上司は高慢。
ライバルは卑怯。
政府は搾取。
相場は天邪鬼。
隣の国のトップは顔を見るだけで嫌になります。
けれど、そんな人々に怒ったり、嫌ったりする自分もまた好ましくない。
我々はそういった悪感情とどう付き合っていくべきなのでしょうか?
それを知るためには、まず原因を理解する必要があります。
貴方はなぜそれらの相手に対して、憎悪や嫌悪を抱くのでしょうか?
彼等が犯罪を行っているからでしょうか?
それとも道徳に反しているからでしょうか?
そういう側面もあるけれど、本質はもっと別の所にあると思います。
例えば、次のような場合を考えてみましょう。
・子供に悪戯をされる
・ネコに障子を破られる
・ウサギに噛まれる
これらは明らかに悪いことですが、大人の貴方は叱ったりしませんよね。
多分笑って許してくれるでしょう。
相手が可愛いペットや女の子なら、むしろ喜ぶかもしれません。
しかし、対象が変わるとそうはいきません。
大人にセクハラされたり、ヤクザに物を壊されたり、ライオンに噛まれたりしたらどうでしょうか?
多分貴方は非常に強い不快感に襲われるはずです。
子供や小動物に対しては平気でも、強い相手だと心穏やかではいられないのです。
なぜそうなるかというと、彼等は貴方にとって脅威だからです。
もっとわかりやすく言うと、貴方は彼等を恐れているからです。
怒り、憎しみ、嫌悪、敵意、侮蔑、そういった感情は全て、貴方自身の恐怖心に由来します。
彼が発言することで、自分が損をするんじゃないか?
自分の運命は相手に握られているんじゃないか?
排除しないと、今の立場が危ういんじゃないか?
そんな臆病な心が、貴方をどん底に叩き落します。
怒りや憎しみは、将来に対する不安の裏返しなんですね。

対象が強者ではなく弱者だとしても、同様に恐怖は生まれます。
ダメな部下がヘマをしたら、自分の責任になるんじゃないか?
年金受給者や生活保護者が税金を食いつぶしたら、自分の手取りが減るんじゃないか?
発展途上国の人々の生活が向上したら、地球の資源が枯渇するんじゃないか?
そういった利害関係を察知して、人はマイナスの感情を抱きます。
そして不都合な相手を攻撃し、優位性を保とうとします。
いかに正義や道徳を振りかざしたって、本音は貴方の損得勘定にすぎないのですよ。

結局のところ、相手が誰であるのかは関係ありません。
問題が何であるのかも、実は関係ありません。
だって、原因は貴方自身の弱さなんですから。
それを自覚すれば、もう腹を立てる必要はなくなります。
貴方が成長し、大切な物を守る強さを獲得できたのなら、怒りも憎しみも遠い過去になります。
もちろん、相手を追放、迫害して解決する方法もあるでしょう。
貴方の本能は敵を殺害することで、脅威を排除する道を示すかもしれません。

しかし、接触する相手が限定的だった昔ならいざ知らず、現代のグローバル社会においてそれは愚策です。
他者に害をなせば法によって裁かれるし、たとえ一人二人追い出したとしても、また次の敵が現れるだけです。
心穏やかに生きたいのであれば、貴方は強くならなければなりません。
自身の弱点を克服して、内にある恐れを払拭しなければなりません。
怒る必要はありません。
悲しむ必要もありません。
ただ恐怖に思考を支配された私達に、それを打ち破る機会が与えられているだけです。

⇒恐怖や不安の正体と対策