日銀の膨大なETF買いが株価暴落を引き起こすカラクリ
2018-07-05|負ける理由(真実を知りたい貴方へ)

この先は危険だ! ( ノД`)
7月になってからやけに株式市場が軟調で、新興株はもちろん、日経平均株価も大きく下落しています。
この原因は米中の貿易戦争懸念と言われていますが、それ以外にも要因があるようです。
特に為替がそれほど円安に進んでいないにも関わらず日経が下がっているのには、株式ETFの配当が関係しているらしい。
アベノミクスの黒田バズーカ以降、日銀は年6兆円のペースでETFを買い入れています。
現在の日銀のETF保有残高は、時価でだいたい25兆円。
日銀以外も含めたETF全体だと33兆程度だそうです。

ETFは株の投資信託みたいなものなので、所有者には投資先企業の配当が分配されます。
最も大手の野村アセットマネジメントのTOPIX連動型上場投資信託だと、毎年1.5~2.0%程度。
33兆円のうち1.5%だとすると、だいたい5000億円の配当。
(ただし0.11%程度は運用元が手数料として徴収されるため、受取額は目減りする)
毎年の配当時期になると、これだけの金額がETF所有者に支払われます。
分配が行われることに問題はありませんが、気になるのは配当日が7月の初頭(7/8、7/10)に固まっていること。
野村アセットマネジメントを始めとする運用会社は、配当金を捻出するために現金を用意しなくてはいけません。
現ナマを作るために行うのは当然、先物や保有株の利確。
つまり、配当が集中する時期の前に株を売るので、株価が軟調になるわけです。
実際はそれを見越してショートポジションを持つファンドや投資家がいるので、配当額以上に大きく売られているでしょう。
あくまで一要因でしかありませんが、日銀が日本株ETFを買うほど影響が大きくなり、それに応じた下落が発生するのは知っておくべきだと思います。
異次元緩和のおかげで円安株高になると喜んでいると、足元をすくわれるかもしれません。

なお、換金売りと見られる下落はずっと続くわけではなく、実際の分配日(7/10)以前には終わります。
例年もこの時期で反転しているので、下がった株価も一旦持ち直すのではないでしょうか?
(中国とか北朝鮮とかイタリアとかトルコとかがやらかさなければ)
しかしながら、夏場は相場が弱気になりやすい時期。
8月のアノマリーは、やはり円高株安です。
黒田さんはもうバズーカを撃ってくれそうにないので、自分のポジションは自分で守りましょう。

⇒金融緩和は誰の為の政策?