お金で買えるものと買えないものは何が違うのか?
2018-07-22|経済を考える

どっちの意味だろう?
世の中には、お金で買える物とお金では買えない物があります。
その違いって、何なのでしょうか?
住宅も車も、玩具もCDも、宝石もペットもお金で買える。
レストランで食事をすることも、ゲームセンターで遊ぶこともできる
けれど、全てのモノがお金で手に入るわけではない。
いくらお金があったところで、一日が24時間であることは変わらない。
もちろん、愛は金では買えない。(ということになっている)
なぜ買えない物があるかというと、お金は他人の時間を利用するためのツールだからです。
資本主義社会では個々人は労働者として市場に参加して、それぞれの能力に合わせた労働単価が設定されています。
そこでは経営者やサービスの利用者は、労働条件とサービス料を提示することで相手を自由に動かすことができます。
会社が従業員を雇えば、毎日定時まで働かせることができる。
修理業者を家に呼んで、故障した設備を直してもらうことができる。
メイドカフェでオムライスに「おいしくなーれ」と魔法をかけてもらうことができる。
特定の店であれば、女の子と一夜を共にすることだってできる。
アマゾンや楽天で売られている物品も、代金の大半は他人の時間です。
採掘場で鉱石を掘り出し、それを工場で加工して組み立て、トラックに積んで貴方の街へ届ける。
その対価が数字となって、販売所の価格に表示されています。
つまり、貴方は自分のお金を使って、他人の時間を買っていたんですよ。

人間がその人生を費やして作り出すものであれば、大概の物は市場に並びます。
食品でも家具でも建物でも、漫画でも小説でも絵画でも。
薬物や武器のように制限のかかるものもありますが、それ以外のものはネット通販サイトをクリックするだけで届くでしょう。
どれだけの人間をどれだけの時間動かせるかは、支払われる金額次第。
お金持ちとは、他人の時間を多く利用できる人とも言えますね。
自分の時間を高く売って資金を作れば、今度はその対価をもって他人に命令することができます。
相手がハリウッド俳優だろうと、テレビに出演する大物タレントだろうと、お金さえあれば大抵の労働者は自由にできます。
貴方がその気になれば、猫賢者だって意のままに動かすことができます。
誰でもほんの数センチの福沢さんを積むだけで、三回回ってワンと鳴かせることができるでしょう。(猫なのに)

しかし、買えるのはあくまで他人の時間だけです。
お金があれば何でもできる、というわけではありません。
特に注意したいのは、自分の時間は買えない、ということ。
エセ賢者の1時間は1万円で買えても、貴方自身の1秒は1億円積んでも買えないんですよ。

サラリーマンが収入を得るためには、毎日会社に行って就業時間中はオフィスに拘束されないといけない。
一方でその賃金を全部返還しても、費やした時間は全く返ってこない。
時間とお金には、どうしようもない不可逆性があるんですね。
貴方が会社で得た給料は、それに費やした時間に見合った価値がありますか?
富は生活の衣食住を保証し、様々な手助けをしてくれますが、それは他人が協力が得られるというだけの話です。
たとえ何億円の預金があっても、余命いくばくもない老人が病室のベットに括り付けられていたら意味がありませんよね。
貴方の夢を叶えるのはあくまで自身の身体と時間であって、お金が全てを解決してくれるわけではありません。
お金は他人。
どうやっても、貴方自身にはなれないんですよ。

⇒時は金なり・・・なワケがない