感覚系と運動系のアンバランスがニートを量産する

やらせてやれよ! ( ノД`)
※クリスマスは全力でボケるのが通例になっていますが、今年はサンタ賢者が不法侵入で逮捕されたため真面目な話になっています。
あらかじめご了承ください。
人体の末梢神経が感覚神経と運動神経に分かれているのは有名な話ですが、学習能力も『感覚系』と『運動系』に分かれていることはあまり知られていません。
例えば絵画の場合、ゴッホやセザンヌの名画を見て感性を鍛えるのは感覚系の学習になります。
一方で、自分で絵を描いて上達するのは運動系の学習になります。
「何が良いものであるのか」を知るのが感覚系の学習。
「自分で良いものを作る」のが運動系の学習。
名画を沢山見て芸術を理解したとしても、それで素晴らしい絵が描けるようになるわけではありません。
名曲を何万曲聴いたとしても、歌やピアノが上手くなるわけではありません。
FXトレードのセミナーに何度参加しても、それでトレードが利益が出せるようになるわけではありません。
感覚系の成長が、そのまま運動系の成長になるわけではありません。
もちろん互いに影響はしますが、あくまで別物なのです。

と言うと、
「言うは易く行うは難し」
というお決まりのフレーズを思い浮かべるかもしれませんが、そういう話でもありません。
感覚系学習と運動系学習は、どちらも大切なもの。
何が良くて何が悪いのかを評価できなければ、自分で行う時も何を目指せばいいのかわからない。
自分で行った経験がなければ、どのような分野について見識を深めればいいのかわからない。
お互いの学習が、互いを前に進めるきっかけになります。
双方を一歩ずつ進めるのが理想的な成長です。
現代の若者が上手く成熟できないのは、この二つがひどくアンバランスだからです。
人々はインターネットという情報の洪水によって、著しい感覚的成長を遂げました。
素晴らしいアーティストの演奏や芸術品、演技やアニメーション、美味な料理に触れることで、「本物を見抜く力」をこれでもかと鍛えています。
それは確かに良いことなのですが、同時にやる気を失わせる要因にもなります。
運動系が未発達なまま感覚系を鍛え続けると、ニートが大量生産されてしまうのです。

万人に評価される名品を見続ければ、鑑定眼が鍛えられてモノの良し悪しを判断できるようになります。
しかし、その一方で今の自分が作り出せる成果についても高い基準で判断されることになってしまいます。
自分の描いた落書きをプロのイラストと比べたら・・・
自分の歌声を録音して歌手の曲と聴き比べたら・・・
自分のトレード履歴を敏腕トレーダーと比べたら・・・
誰だって嫌になりますよね。
本物を知るというのは、自分と本物との剥離を知るということでもあります。
現実と理想のギャップが広がり続けるほど、人は意欲を失っていきます。
現代の日本人にチャレンジ精神が欠けているとしたら、これが理由なのかもしれません。
それでも、何かを得ようとするのなら自分で実行するしかありません。
無様でも稚拙でも、繰り返し自分の手と頭を使って、徹底的に運動系を鍛えるしかありません。
理想とのギャップに負けず、良い物を作り続けた人だけがゴールにたどり着きます。
本物を見続けるだけでプロになれるわけではありませんが、向かうべき指針となってくれるのは間違いありません。
情報過多な世界で鍛え続けた感覚系は、成長速度を劇的に加速してくれるでしょう。
そういう意味では、高度情報社会に生きる貴方は非常に恵まれているのです。
本当の芸術家も料理人も、アスリートもトレーダーも、ただ観察して思い描くだけでは生まれません。
どうかその目標に辿り着くために、手を動かし続けることを忘れないでください。

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