稼ぐ力育成講座① 稼ぎ方の本質は「わらしべ長者」に学べ

付加価値が高すぎる! Σ(゚д゚|||)
「個人で稼ぐ力を身に付けよう!」
これは起業やフリーランス、トレードやアフィリエイトを勧める人が頻繁に使う台詞です。
稼ぎ力を鍛えて脱サラし、経済的自由を手に入れる。
この耳障りの良い言葉に対して、エセ賢者はなぜかいつも違和感を感じてきました。
彼等の言葉はあまりにも枝葉的で核心に触れてこない。
根本的に「稼ぐ力」というのが何なのか見えてこなかったからです。
お客様のことを考えて働く。
経済学を勉強する。
トレードスキルを磨ぐ。
成長する分野に投資する。
社会の変化に合わせる。
他人に信頼される。
どれも間違ってはいないけれど、あまりにも抽象的。
なぜそれをすれば稼げるのか、全く理屈がわからない。
猫賢者が知りたかったのは、精神論ではありません。
教科書に載るぐらい本質的で、科学法則のように普遍的な真理です。
お金を稼ぐとはどういうことなのか?
それをはっきり伝えてくれる人があまりにも少ないので、ここで答えを示そうと思います。
端的に言うと、「稼ぐ」とは「わらしべ長者」になることです。

「わらしべ長者」の昔話は知っていますよね?
貧乏人な若者が物々交換を繰り返して、藁を立派な家と広い畑に替える話。
たいした物を持っていない人も、上手く取引をすればお金持ちになることができるという教訓が込められています。
全てのビジネスやトレードは、この交換の原則に従っています。
モノを介さないマネーゲーム(ギャンブル)は例外ですが、それ以外の金儲けは全て価値の交換から成り立っています。
わらしべ長者は藁(価値の低い物)をミカン(前者よりも価値が高いもの)に交換して財を成しました。
なぜそのような取引が成立するかというと、人はそれぞれ異なる主観的価値を持つからです。
アブを捕まえようとする子供の親にとってワラはミカン三つよりも高い価値があったため、市場から見れば等価ではない交換が成立しました。
主観的な価値は時間や状況によって大きく変わります。
それを必要とする人に提供することが社会全体の満足度を高め、富を増大させます。
物を安く仕入れて高く売るほど、利益は大きくなります。
どれだけ稼げるかは、どこでどれだけの需要を見つけてロスなく移動させるかにかかっています。
この「価格差を見つけて利用する能力」のことを、「稼ぐ力」と呼びます。
わかりやすい事例として、誰もが必要とする飲料水の例を挙げましょう。

水資源の豊富な日本国内とエジプトの乾燥地帯では、水の価値が違います。
日本のコンビニで100円で買えるミネラルウォーターも、エジプトでは倍の値段で売れるかもしれません。
100円で買ったペットボトルを200円で売れば、差し引き100円の利益を得ることができます。
輸出(輸入)企業はこのように国内外の価格差を利用して、お金を稼いでいます。
商社や小売店、せどりや転売屋の仕事も原理としては同じです。
買い占めに走る転売屋は価格を吊り上げるため批判されがちですが、安く買って高く売るという本質は何も変わりません
農家や工場などの生産者、作家や芸術家は一見転売とは違うように見えますが、同じ原則に従っています。
材料や燃料、自身の労働力が原価になり、それ以上の値段で買い取ってくれる人に提供しています。
利益=売り上げ-経費
これがプラスになるように行動することを、私達は「稼ぐ」と呼んでいます。
どんな経営者も売り上げを最大に、経費を最小にするように取り組んでいます。
トレードは、これがさらにシンプルになった形と言えます。
株・外貨・貴金属などを安い時に買って、高くなったら売る。
あるいは高い時に空売りして、安くなったら買い戻します。

ただし、砂漠の水の例では地域によって価格差が生じていましたが、こちらは主に時間によって価格差が生じます。
変数が時間であることが、最も大きな違いです。
例えば、本日の円相場が1ドル=100円だったとしましょう。
貴方は100円を1ドルに両替しました。
しかし、その後に円安が進み、一週間後には1ドル=110円になっていました。
そこで再度円に戻すと、差し引き10円の利益が出ました。
最初の時間と一週間後では、USD/JPYが異なっていました。
このように為替レートの時間的変動を利用して利益を出す取引が、FXトレードです。
商売にせよトレードにせよ、それぞれの価格差を利益にしていることは変わりません。
私達の住む世界の座標は物理的に、
四次元座標=(x,y,z,t)
と表されます。
感覚的には距離と時間は全くの別物に感じますが、物理的には距離と時間は等価です。
そこが外国であれ、宇宙であれ、未来であれ、二点間に価格差があれば人は儲け話を作り出します。
投資家や企業家が利益を得ようと思うなら世界の不均一性を理解し、商機を見出さなければなりません。

長くなったので、今回はここまで。
反響があれば、次回は「稼ぐ力」のより科学的な解釈についてお話したいと思います。
⇒稼ぐ力育成講座② お金とエネルギーの等価性
⇒アービトラージの真価 本当のサヤ取りとは何か