稼ぐ力育成講座③ お金とエネルギーの取り出し方
2019-03-08|FXのカラクリ(初心者向け)

そういうものだよ! Σ(´Д`*)
前回の話⇒稼ぐ力育成講座② お金とエネルギーの等価性
<前回の内容の要約>
・エネルギーには高い所から低い所に流れる性質がある
・価値もエネルギーと同じ性質を持つので、発電の要領でお金を稼ぐことができる
東京電力の経常利益は平均で約3000億円。
自然界のエネルギー勾配を利用して発電すれば、それが利益になります。
他のビジネスであっても本質は同じで、地域間の需要格差が富の源泉となります。
原理の説明は終わってので、今度は発電の仕組みを通じて「稼ぐ方法」を具体的に見ていきましょう。
以下の図は、最も単純な電池として教科書に載っているボルタ電池です。

ボルタ電池は、以下の大まかに4つの部分から成ります。
①正極・・・亜鉛板
②負極・・・銅板
③電流・・・水素イオン
④導電路・・・電線、電解液
正極と負極は導電性のある物質なら何でも構いませんが、同じ材質ではいけません。
イオン化傾向の異なる二種類の金属を繋げるから電圧が発生し、電流が流れます。
イオン化傾向に差があるほど起電力は大きくなります。
この二つはトレードにおける需要と供給に相当します。
オームの法則で電流が電圧に比例するように、需要と供給が剥離するほど価格は高くなります。

電流は移動する価値であり、ビジネスにおける商品やお金を指します。
物理的に電流と電子の流れが逆ベクトルであるように、どちらが需要でどちらが供給かは見る方向によって変わります。
一般的には販売側が供給で、購買側が需要とされます。
二本の電極に電位差があるからといって、それだけでは電流は流れません。
導線で繋げてやることで、起電力が発生します。
絶縁体で繋いでも電流は流れないし、抵抗の大きい導線を使えばロスが生じます。
この導線は我々人間の事業を、電解液はそれを行う場に相当します。
火星の石を地球に持ってくればマニアに高く売れるでしょうが、他天体を往復するコストが高すぎて現実的ではありません。
仮に「どこでもドア」でも作れば一気に事業化して、膨大な利益を生むでしょうが。
日本よりエジプトの水が高価だからといって、「どこでもドア」で持っていくことはできません。
いかに安いコスト・短い時間でモノを輸送させるかが事業の鍵です。
普通の人が起業家になれないのは、価値の差は見つけられてもそれを上手く流通させるシステムが作れないからです。
いくら良いアイデアがあっても、実行できないことには意味がありません。

ここで意識してほしいのは、電流が有限であること。
このことはビジネスにおいて、「どんな商売も永遠に利益を出し続けることはできない」ということを意味します。
当たり前のことですが、電池は使い続ければ寿命が来ます。
電力を消費するほど亜鉛版は硫酸に溶けていき、充電しなければ電流が止まってしまいます。
電池で考えればすぐに納得できることですが、ビジネスだといつまでも続くような錯覚に囚われる人が少なくありません。
電力を取り出すということは、二つの電極の電位差を埋めるということ。
モノを売って利益を出すことは、顧客の欠乏を埋めるということ。
電力や食料であれば定期的に需要が沸いてきますが、それも期間毎の消費量がだいたい決まっています。
家電製品のような耐久消費財や特に消費を伴わない物品、一度観賞すれば終わる芸術品であれば、需要を満たした時点で終わってしまいます。
中には同じCDを何度も買ってくれる人もいるかもしれませんが、それも握手券が尽きるまでです。

基本的に「稼ぐ」とは、「需要を消費する」ということです。
貴方や競合が稼げば稼ぐほど旨味がなくなってしまうので、いつまでも同じ商売を続けることはできません。
だから企業は常に新商品を開発し、新たな需要を創出するわけです。
もちろんトレーダーも同じ市場の歪みに頼り続けることはできず、新しい分野にチャレンジし続けなければなりません。
最初の事例やトレードにおいて、何が電池の各部品に相当するのか当てはめてみましょう。
<水の販売>
①正極・・・日本
②負極・・・エジプト
③電流・・・ミネラルウォーター
④導電路・・・商社
<FXトレード>
①正極・・・今の為替市場
②負極・・・未来の為替市場
③電流・・・銘柄(通貨ペア)
④導電路・・・市場(インターバンク)
<スワップアービトラージ>
①正極・・・スワップポイントの低い業者
②負極・・・スワップポイント高い業者
③電流・・・金利差
④導電路・・・口座間送金
あらゆる取引には利益を生む電極と、それを流す経路が存在します。
どの部分に欠陥があっても、儲け話は成立しません。
自分のトレードが上手く行かないという時は、どこに欠陥があるのか調べてみましょう。

次回は利益に直結する価格の本質についてお話します。
価格はいったいどうやって決まるのか?
店に提示した金額を鵜呑みにしていいのか?
その真相に迫ります。
⇒稼ぐ力育成講座④ 本当の価格は〇〇が決めている