稼ぐ力育成講座④ 本当の価格は〇〇が決めている

いつもお買い上げありがとうございます。
前記事⇒稼ぐ力育成講座③ お金とエネルギーの取り出し方
<前回の要約>
・稼ぐとは需要に対して供給を行い、差額を利益として取り出すことである
・稼ぐためには価格差を見つけるとともに、需要と供給を繋げるシステムを作らなくてはいけない
これまでも一貫してお伝えしてきたように、二者の価格差が利益の源泉となります。
「安く買って高く売る」以外の商売は基本的に存在しません。
ということは、儲けるためにはとにかく価格をチェックしなければならないということになりますね。
しかし、モノの価格(価値)は意外と理解が難しいもの。
誰もがわかっているようで、勘違いしていることが多々あります。
例えば、下の弁当の価格はいくらなのか考えてみてください。

スーパーで500円で販売されているやきとり弁当なのだから、その価格は500円。
普通に考えればそれで正解です。
弁当がそのまま売れれば、確かに500円の価値があったと言えるでしょう。
しかし、もし売れ残ってしまったら?
夕方まで売れ残った弁当は半額シールを付けられ、時間を狙ってきた貧乏賢者に買われました。
エセ賢者がレジに持っていっていくと、その値段は250円。
元々の定価である500円と、猫賢者が買った時の250円。
どちらが焼鳥弁当の正しい値段ですか?
250円は半額値引きの結果なのだから、500円が正当な価格という気もします。
時間経過によって500円の価値が250円に下がったので、どちらも本当の価格という気もします。
しかし、経済学的に考えるならやはり正しいのは実際に取引が成立した250円です。
店はその気になれば、商品にどんな値段でも付けることができます。
一般人でもアマゾンやフリマに物品を出品すれば、好きな値段で売ることができます。
エセトレーダーがA4ノートにトレード結果を落書きしただけのゴミであっても、
「猫でもできるFX入門 777万円 配送料無料」
と書いて出品すれば、その販売価格は777万円になります。
確かに価格は777万円と表示されますが、この本にそんな価値はありませんよね。
無料でも誰も欲しがらないのだから、その価値はゼロです。

同じように考えれば、やきとり弁当の価値はやはり250円と見なすべきです。
スーパーが半額で提示し、顧客が応じて取引が成立したのだから、その価格が最も実態を表しています。
店は自由に値札を付けることはできますが、それが実際に売れる価格をコントロールすることはできません。
本当の価格は供給側と需要側の合意があって初めて決定します。
価格決定には両者の意志が不可欠ですが、供給過剰な日本においてはお客さんの方が店を選ぶ立場にあるので、どちらかといえば生産者より消費者が決定権を持っていると考えるべきでしょう。
現実にモノの価格を決めているのはスーパーでもコンビニでもなく、それを買いにいく貴方だったのです。
そう考えると、価格に対する誤解が世の中を歪ませていることに気付きます。
安倍政権はインフレ率2%をアベノミクスの目標に掲げていますが、経済の原則からすれば明らかにおかしいこと。

インフレは物価が上がるということですが、価格は消費者が決めるのだから政府がコントロールできるわけがない。
インフレターゲット2%は、自由資本主義の価格を決める権利をないがしろにしています。
現実にデフレになっているということは顧客が商品に価値を感じていないか、支払う余裕がないために需要が生じていないということ。
金融緩和によって国債や株式を買い取れば銀行を通じて企業にお金は流れますが、それで活発化するのは供給側。
需要側である消費者が増えないのだから、需給ギャップが拡大するだけです。
価格は消費者から見た価値なので、商品の価値が上がれば自然と価格も上がります。
日本のメーカーに製品の改善を奨励するならともかく、お金自体の価値を下げてインフレさせることに何の意味があるのでしょうか?

トレードの世界における価格は株価や為替レートになりますが、それも全く同じ原理で決定しています。
貴方が指値で1ドル=120円の売り注文を出しても、そのレートで買ってくれる相手がいなければ取引は成立しません。
ロングとショートの両方が上手くマッチングすることで、マーケットにおける価格が決定されます。
近年はアルゴ取引による見せ玉(約定しない注文)がレートを不当に操作していることがありますが、それも含めて両者の綱引きが価格を決定しています。
「いい物を作れば売れるはずだ」
「なんとなく値上がりしそうだから買っておこう」
「いつか上がるだろうから塩漬けして、高くなったら売ろう」
といった軽い考えで行った取引は大抵上手くいきません。
なぜなら、取引する相手のことを全く考慮していないからです。
貴方に安く売ってくれる人はいるのか?
いるとしたら、なぜ安く売ってくれるのか?
貴方から高く買ってくれる人はいるのか?
いるとしたら、なぜ高く買ってくれるのか?
供給と需要、入口と出口。
それぞれの事情を正しく把握することが、ビジネスや投資において稼ぐ秘訣と言えます。

次回から売り手と買い手の具体的な話に移っていこうと思いますが、この記事自体の需要の方が怪しくなってきました。
需要のないモノは、市場から排除されるのが道理。
果たしてこの話は読者の需要を満たしているのだろうか?
⇒稼ぐ力育成講座⑤ 需要はどこにあるのか?
⇒経済的自由を手に入れる最も簡単な方法