繁栄する国と衰退する国を見分ける方法
2019-06-12|経済を考える

そんな理屈でいいのか!? (T_T)
為替を扱うFXトレーダーや海外の株式を手掛ける投資家にとって、各国の将来像は非常に気になるもの。
これからどこの国が栄えていくのか?
逆にどこの国が衰退していくのか?
きっと貴方も知りたいと思っているはず。
そこで、各国の将来性を判断するための材料を二つ示します。
①人口増加率(出生率)は高いか?
②自由主義か保護主義か?
・人口が減少する、保護主義の国→衰退する
・人口が増加する、自由主義の国→繁栄する
実にシンプルな判断基準ですね。
アベノミクスはインフレ率だの一億総活躍社会だのわけわからない屁理屈をうたっていますが、経済の原動力は単純に人間です。
人がいれば衣食住などに需要が生まれ、需要が生まれれば生産が行われ、経済が拡大します。
人口が増える国が将来的に豊かになっていくのは、小学生でもわかる話。
また、その国が自由競争を受け入れるかどうかも重要な要素です。
技術の発展は人々が競い合うこと、とりわけ国外との競争によって加速されます。
発明家が我先にと急がなければ、飛行機がこんなに早く飛ぶことも、人類が月に到達することもなかったでしょう。
戦争は多くの人命を奪いましたが、敵国より強くなろうとする意志がテクノロジーや社会制度を進歩させたのも確かです。
現在の産業も、各国が競い合うことで急速な進化を遂げています。
未だに高い関税で守られている日本の農家と、グローバル競争を勝ち抜いてきた世界の企業とでは全くレベルが違います。
保護貿易やカルテルで守られた国は弱くなり、自由貿易を生き残った国は強くなります。
では、この二つの観点から世界の主要国の未来を占ってみましょう。
①日本→衰退する
少子高齢化が進み、年々新生児の数が減少しているので人口は絶望的。
(移民は増えてるけど)

農業は関税で保護され、通信機器などの産業も競争を嫌って寡占状態。
既得権益が強く、新規参入も難しい。
上場企業の株と国債は日銀とGPIFが買い占め、市場原理が全く働かない。
別にこの国をディスりたいわけではありませんが、この二点において判断する限りは明るい材料は全くありません。
アベノミクスが極めて共産主義・保護主義的な政策なので、その反対をやらないとダメでしょう。
鎖国していた江戸時代も、欧州に比べて文明の進歩が大幅に遅れていました。
ペリーという侵略者が文明開化を起こしたように、外圧によって変えるしかないのかもしれません。
TPPが黒船に相当するかは微妙なところですが。
②EU(というかドイツ)→繁栄する
欧州はEUによってヒトやモノの移動が自由化されているため、内部で熾烈な競争が行われています。
自由競争下では、ドイツとギリシャのように勝ち組と負け組がはっきりします。
ドイツ自体の人口増加率はそこまで高くありませんが、欧州全体(7億人以上!)という巨大なマーケットがそれをカバーします。
ドイツ銀行(民間の銀行)が危機に陥る可能性はありますが、主要産業が生き残る限りは問題ありません。
なにせ二度の大戦の敗北を立ち直ってきた国なので。
③イギリス→衰退する
ドイツと対照的なのはイギリス。
EU内でもユーロではなくポンドという通貨を使って経済を保護してきましたが、とうとうEU離脱を決定しました。
これにより自国の安定は保ててても、他国と競って頂点を目指す道は断たれました。
かつての大英帝国の繁栄は、二度と戻ってこないでしょう。

④中国→繁栄する?
世界最大の人口は、間違いなくアドバンテージ。
いずれ世界一位の経済大国になってもおかしくありません。
気になるのは中国共産党がどれだけ自由競争を認めるか。
あとは現在のトップに君臨する米国との摩擦ですね。
ファーウェイ問題も情報流出がどうこうというより、IT産業の覇権を守るために米国が攻撃していると考えるべきでしょう。
長期的には人口の多い中国が勝つと思いますが、今はまだ米国の軍事力や経済力が上か。
冷戦の時代のように、この二国の対立がこれからの世界を引っ張っていくでしょう。
⑤アメリカ→??
自国を最優先とするトランプ流排外主義は、自由競争を明らかに阻害しています。
産業保護のために関税をかければ、企業は改善を止めて成長は鈍化していきます。
その点では衰退の方向に向かっていくと考えられますが、世界一の大国であるだけに事は単純ではありません。
日本や英国のような辺境の島国なら切り離せば済むことですが、経済の中心地となればそうもいかない。
米国が関税をかけるのは、心臓が血流を制限するようなもの。
トランプ的ポピュリズムが広まれば、欧米だけでなく世界経済全体が停滞していくことでしょう。

ちなみに、インド、東南アジア、アフリカなどの人口増加地域の見通しは明るい。
出生率最悪の韓国や閉鎖的な北朝鮮の将来は暗い。
グローバル競争に勝てるかはその国次第なので、なんとも言えませんが。
人口と競争(戦争)が国家の存亡を左右するのは、歴史が証明しています。
数年単位では様々な要因により変動しますが、数十年のスパンで見れば明らかな差異が生まれるでしょう。
自由に国境を超えて投資や移動ができる社会においては、そういった視点で将来を考えるべきかもしれません。
