なぜ日本人は就職に失敗して早期離職するのか?

細かすぎる! (ノ_<)
最近の若者はやりたいことが見つけられない。
なんとか良さそうな会社を見つけて就職しても、すぐに辞めてしまいます。
厚生労働省のデータによると、1年以内に退職する人が31%。
3年以内だと、なんと44%が退職しているそうです。
大学まで進学して1年以上かけて就活しているのに、半数近い人が自分に合った仕事を見つけられていないんですね。
こうも早期離職が増えたのは、ここ20年ぐらいの話です。
なぜ若者達は満足できる仕事を見つけられなくなったのでしょうか?
もちろん、会社の待遇が悪くなっているのは事実でしょう
・即戦力が求められ、十分な社内教育が行われなくなった
・団塊世代やバブル世代が定年後も残って、出世しにくくなった
・労働分配率の低下により給料が下がった
・社会保険料が上昇して手取りが減った
少子高齢化やアベノミクスの社会主義化によって、若年労働者の扱いが悪化したのは間違いない。
しかし、内閣府の平成30年版「子供・若者白書」によると、最初の仕事における離職理由の一位は待遇ではありません。
・1位:仕事が自分に合わなかったため
・2位:人間関係がよくなかったため
・3位:労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため
現実の仕事内容のミスマッチが、新入社員の退職を招いているわけですね。
なぜ、若者の希望と業務が一致しないのでしょうか?

その原因は日本の教育制度にあると考えます。
現在の仕事では主体的な人材が求められているのに、学校は徹底して受動的な子供を育てるように設計されているからです。
あなたもご存じのように日本の教育は完全な詰込み型です。
常に決められたルールに従うことを強制され、生徒の自主性は完全に潰されます。
成熟速度は子供によってバラバラですが、それを無視して義務教育9年、高校と大学に通わされます。
得意な科目は皆違いますが、それを無視して指定の教科で高得点を取ることを強いられます。
外国語と言えば英語で、他の言語を学ぶ機会はほぼ与えられません。
バイトは原則禁止で、学業と部活以外に精を出していけません。
テストは問題、回答、導出過程まで決まっていて、自由な発想は認められません。

学校という工場で洗脳された子供達は、工業製品のように均一な人材に調整されます。
そこから外れた子供は不良のレッテルを貼られ、社会から排除されます。
(他の子とは違う素質があるだけで、何も悪いことではないのに)
このように言われた通りに勉強を続けると、びっくりするぐらい受動的な人材が出来上がります。
特に学生時代に成績が良くて偏差値が高い学校に進学した人ほど、その傾向が強くなります。
大学院を首席で卒業したエセ賢者なんかその典型ですね。
受動的な人は他人の要望に正確に答えるのは得意ですが、自分の意思で選択することは苦手です。
物事に価値があるのか自分で判断する能力がないため、常に他人に評価に依存しています。
会社では上司の指示待ち。
家ではテレビやネットに浸って、何が注目されているのかずっと探しています。
それがいわゆる「やりたいことがない」という状態です。
自分の価値観を信じられないのだから、自発的な動機など沸いてくるわけがありません。
高度成長期の日本は、それで構いませんでした。
何でも言われた通りにこなしてくれる従順な人材が求められていたからです。
無個性で受動的な子供をつくる日本の教育制度は、そういう時代のニーズに合わせて作られたと言えます。
しかし、現代は状況が変わって、会社は自発的に活動する主体的人財を求めるようになりました。
元々は地元近くに限られていた就職場所も自由化されました。
どこで仕事をすればいいのか選べる。
どんな仕事をすればいいのか選べる。
私達のような受動的な人間にとって、こんなに厄介なことはありません。
今まで学校も科目も住所も何一つ自分で選んでないのに、今更選択しろと言れたって無理でしょ?
矛盾してるじゃないか!

受動的な人の動機は「他人に言われたから」。
それに面接官が「弊社の志望動機は?」なんて聞いても、まともな答えが返ってくるわけがない。
受動的になるように教育した後に主体的な動機を尋ねるのは、完全に矛盾しています。
ディフェンスポジションを徹底的に練習した後に「攻撃に向かえ」と言うようなもの。
上手いこと志望動機をでっちあげて面接をパスしたとしても、入社した後に後悔するだけ。
だって知名度や給料で選んだだけで、仕事なんて全部同じだと思っているんだから。
自分で選ぶという習慣がそもそもないのだから、要望がマッチするわけがない。
さらに悪いのは、会社が熱意のある新人に創造的な仕事をさせないこと。
面接では夢を語らせながら、最初の数年は下積み期間と言って命令に従わせることが多々あります。
そうなると、せっかく主体性が残っていた人にもまた受動性が要求され、二度も裏切られることになります。
もしもあなたに「やりたいこと」がないのであれば、あなたも日本の教育の被害者なのかもしれません。
どの会社も同じようにしか見えず、流行のものにしか興味が持てないのであれば、その可能性が極めて高い。
子供は本来個性の塊であり、それぞれが夢と願望を持って生まれてきます。
けれど、大人が自分の理想を押し付けて社会の型に嵌めてしまえば、せっかくの才能も潰されてしまいます。
センター試験の後継として作られた「大学入学共通テスト」も、大人が自分の勝手な基準で評価しているのは変わりません。
ゆとり教育のようにレベルを下げるのではなく、子供自身の意思でどんどん先に進んでいくような制度が必要です。
教育が変わらないのではあれば、企業の採用方針を高度成長期の頃に戻すべき。
志望動機を尋るのを止めて、
「身体は丈夫です! なんでもやります! 命令してください!」
というだけの人を採用すればミスマッチは起こりません。
主体性と受動性は必ずどちらかに偏るので、両方を持った人は存在しません。
企業が主体的に動ける人財を要求するなら、教育もそれに合わせて変わっていかなければなりません。
既に受動的に育ってしまった大人達は他人の評価に依存するのを止めて、自分自身の夢を思い出していかなくてはなりません。
