VIX取引(米国VI)で特大ロスカット! 素早い損切りの理由は?
2019-11-17|FXのカラクリ(初心者向け)

認識を間違えないように! ( ノД`)
前の記事⇒恐怖指数先物 VIX投資で億万長者を目指す!
以前予告した通り10月からVIX指数の取引をしていましたが、結果は惨敗。
証拠金500万円で合計240枚取引して、11月に全てロスカットしました。
利益:7万円
損失:22万円
トータル:-15万円
使った手法は、VIXの逆張りロング。
米国VIを16ドル~14ドルあたりで仕込んでトランプが相場を荒らしてくれるのを期待していましたが、米中貿易合意の期待で相場は爆上げ。
ニューヨークダウの最高値更新とともに恐怖指数も下落してしまったため、全て損切りして仕切り直すことにしました。
トランプさん、散々中国相手にタンカ切っといて、選挙シーズンになった途端大人しくなりすぎ。
ささっとロスカットしたのはエセ賢者としては妥当な判断だったと思いますが、前回の記事を読んだ人の中には「見切りが早かったのでは?」と思う人もいるかもしれません。
「VIXは10ドル~20ドルで動く」というなら、長期で上がるのを待って勝とうとする人もいるかもしれません。
実際FXや株なら底値で買って、数年後に収穫する手法もありますし。
しかし、それはFXや株の話であって、VIXのロングでは使えません。
この辺は勘違いすると結構危険なので、今回はその点について解説します。

GMOクリック証券米国VIのCFDチャートを見ると、価格は一度も10ドルを下回っていないのがわかります。
これを見ると「10ドルまで耐えられれば大丈夫」と思いがちですが、そんなことはありません。
仮にVIを12とか11で買っても、リスクは抑えられません。
さらに損失が拡大するリスクが存在するので、ロスカットは必須です。
これは指数取引の仕組みをしれば当たり前のことなのですが、FXしかやったことがない人だとちょっとわかりにくいと思います。
かといってコンタンゴやバックワーデーションといった語句を使って説明しても理解が難しいと思うので、感覚的にわかりやすい説明をしたいと思います。
正確な仕組みが知りたい方は、証券会社のHPでも見てください。
VIX初心者のための説明なので、経験者は読まなくて結構です。
VIXは斜面の綱引き
FXが買い手と売り手が引っ張り合う綱引きであるとしたら、VIX取引もまた売買の綱引きではあります。
ただし、細かいルールが違います。
株、FX→水平な場所で行われる綱引き。センターラインは変わらない。
VIX→斜面で行われる綱引き。センターラインは毎月引き直す。

FXはインターバンクでブルとベアがぶつかり合う勝負です。
USD/JPYなら米ドルと日本円が綱を引き、需要が高かった方のレートが上がります。
為替取引が行われなければ、為替レートは一切動きません。
金利差でスワップポイントが付与されますが、それが為替レートに影響を与えることもありません。
1ドル360円から始まって、76円まで引っ張られてもゲームは終わりません。
逆に76円から123円まで引っ張っても、ずっと綱引きは続きます。
どこまで上がるかもどこまで下がるかもわかりませんが、誰もこのゲームを仕切り直そうとはしません。

一方で、VIXや日経インバースのような指数取引は非対称で、業者の定めた区切りが存在します。
それが時間による減価と価格調整になります。
猫賢者はこれにハンデのある綱引きといった感じの印象を持ちました。
斜面で綱引きをやれば、当然のように下側にいるチームの方が有利になります。
上のチームは世界に名の知れた力自慢ばかりですが、気分屋でたまにしか本気を出してくれません。
なにせ常に重力が働いているので、お互い力を抜いたら勝手に下に落っこちていく。
このように、VIXというのはベア側が時間的優位性を持つゲームになります。
対等なゲームだと思ってプレイすると、どちらにも動きがないのにいつの間にか負けているかもしれません。
回りくどい説明になりましたが、この重力のことを金融商品の減価と言います。
それはスワップのように口座残高を増減させるものではなく、取引価格自体を引き下げるものです。
たとえ一切取引が行われなくても時間が経てば保有銘柄の価値が減ってしまうので、長期保有には向きません。
「下落圧力があっても10~20ドルで推移するなら、どこかで反転するんじゃないか?」
と一時思ってしまったこともありますが、それは幻でした。
砂漠でオアシスを見つけたら蜃気楼だった、みたいな話。
米国VIは毎月価格調整が行われ、先月の上下変動に応じてレートが書き換えられます。
詳しい算出方法は省きますが、だいたい以下のような感じでラインが引き直されます。
(かなり大雑把)
先月のレートが14ドルで終わった
↓
下がりすぎたから2ドル分だけ動かして、16で切り直しにしよう
時間経過で下がっていくものをずっと放置すると、いつか価格は0ドルになってしまいます。
だから下がった分だけ嵩上げして、また下がってもいいようにします。
逆に上がりすぎたら下に調整しますが、それはVIXショックみたいに荒れた月の話。
だいたい8割は下がった分だけ引き上げます。
1年間のトータルを合算すると、12ドルぐらい補填しているようです。
実際は少しずつ下に落っこちているのに、基準値が動くからチャートがレンジになっているように見えます。
実際はFX以上にトレンドがはっきりしているのに、目の錯覚って怖いね。

調整が行われると、投資家が持っているポジションのレートも変更されます。
しかし、前のレートでの含み損益の分だけポジションに調整金がかけられるので、実際は何も変わりません。
FXならスワップ付与時間前に決済してマイナススワップを避ける方法もありますが、VIXの減価はどうやっても逃れることはできません。
①16ドルで100枚ロング
↓
②14ドルまで下落→20万円の含み損
↓
③調整日に14ドルを16ドルに切り替え
↓
④見かけのレートは16ドルに戻るが、含み損はそのまま
↓
⑤また下落したら、さらに含み損が増える
仮に米国経済の堅調がずっと続いたとすると、米国VIは一見調整で下がっていないように見えても、含み損は増え続けてしまいます。
だからエセ賢者は早々にロングポジションを手じまいして、ショート目線に切り替えることにしました。
やはり20ドル程度に上がって天井を確認してから、中期でショートが鉄板でしょうか。
(だったら最初から売っとけよ)
「VIXが10ドル~20ドルで動いている」という表現は間違いではありませんが、「レンジになるようにラインを動かしている」というのも付け加えておかなければならないでしょう。
ドル円の100円はずっと100円ですが、米国VIの基準価格は常に変わっています。
外貨と円は常に対等ですが、恐怖指数は何も事件がなければ下落圧力がかかります。
状況に応じて、ロングとショートを上手く使い分けましょう。
最近「銀行員がジュニアNISAで日経平均ダブルインバースを買わせている」という噂がありますが、とんでもないことです。
VIXとは少し違いますが、インバースも時間と共に価値が失われていく商品。
アベノミクスバブルの破裂を期待して買うのはわからなくないけれど、途中解約できないジュニアNISAで長期保有すれば減価分だけで大きな損害を被る恐れがあります。
FXのスワップポイントや株式の逆日歩、ETFの減価など、仕組みは違えど金融商品はどれも保有時間に応じた調整を受けます。
それ次第では短期で決済するべきこともあれば、逆に長期保有が有利になることもあります。
それぞれの違いをきちんと把握して、適切な運用を心掛けましょう。

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