四大欲求の正体 人は何のために生きるのか?

性欲が一番大事!?
第一話⇒マズローの欲求段階説を超える新理論を作ってみた
前回に引き続き、人間の欲望と生きる目的の話です。
人の欲求は一つのパネルのようになっており、それは四つの領域に分類されます。

四つの領域は単一のものではなく、無数の欲求が集まって構成されています。
今回はそれぞれがどんな欲望や感情から構成されているか見ていきましょう。
①安定欲求 自己を維持する願望
・食物欲求
・性的欲求
・睡眠欲求
・防衛欲求
・安全欲求
・救護欲求
・飲水欲求
・吸気欲求
・保持欲求
感情:安心、不安、焦燥、緊張、恐怖、飢え、渇き
「そのままでいたい」という心。
潜在意識の持つホメオスタシス。
変化と人間関係を嫌う。
飲食や防衛など人体の保全を司る。
腹が減ったら食べ、眠くなったら寝て、危険が迫ったら逃げる。
極めて持続性が高く、24時間ずっとあなたの安全を守り続けている。
生きるために必須だが、引きこもっていても進歩はない。
マズローでも言われているように、まずは安全を確保することで他の欲求に移っていきやすくなる。

②成長欲求 自己を変える願望
・自己成長欲求
・認知欲求
・達成欲求
・自由欲求
・内罰欲求
・知識欲求
・感性欲求
感情:勇気、好奇心、向上心、感動、絶望、希望、諦念、退屈
「変わっていきたい」という心。
新しいものに興味を持ち、知識や経験を自分の中に取り入れようとする。
また、自分の欠点を改善したり、環境に適応しようと努力する。
未知の領域にチャレンジする原動力になるが、一方で孤立や危険を招くこともある。
勉強や鍛錬に励むのはもちろんだが、それ以上に飽きることで成長が促されることが多い。
人は永遠に同じ作業を続けることはできない。
映画、小説、漫画、テレビ、旅行、仕事など、ありとあらゆるものが成長の糧となる。
何かに飽きて次の刺激を求める時、あなたは成長欲求を最大限に発揮している。

③優越欲求 人間関係を変える願望
・優位欲求
・自尊欲求
・顕示欲求
・支配欲求
・攻撃欲求
・対立欲求
・排除欲求
・名誉欲求
感情:劣等感、嫉妬、軽蔑、殺意、優越感、劣等感、怒り、憎悪
「自分が一番」という心。
立身出世の原動力だが、他人と衝突しやすい。
特に男性は女性に比べてこの欲求が強い。
最も攻撃性が高く、コントロールが難しい。
世の中の争いの8割はこれによって起こる。
戦乱を招くので非常に厄介だが、競争が人類を進歩させてきたのも事実。
本来動物は縄張りを奪い合って生きるものであり、獲物を取らずに生きることもできない。
最も危険だが、否定することもできない想い。
劣等感を建設的に使うのが、人生における最大の課題かもしれない。

④友好欲求 人間関係を維持する願望
・同化欲求
・承認欲求
・親和欲求
・擁護欲求
・秩序欲求
・愛情欲求
・同調欲求
・譲歩欲求
・依存欲求
感情:感謝、愛情、尊敬、責任、罪悪感、名誉
「つながりたい」という心。
相手を好きになり、尊重しようとする。
社会や秩序を守り、友好的な関係を築く。
仲間意識を高めて集団を維持するが、社会の中で埋もれやすい。
組織を維持する要であり、子供やペットを可愛がる時にも発揮される。
無駄に貼られている猫画像に萌えているあなたは、既に友好欲求の虜だ。
社交性が高いのは良いことだが、同調圧力や依存症を引き起こすこともある。
居心地の良いコミニティに至ってもそこはゴールではなく、いずれそれを壊して次の道を歩むことになるだろう。

ちなみに現代社会における願望の満たしやすさで並べると、概ね以下のようになります。
①安定>②成長>④交友>>③優越
個人で達成できる①や②と違い、人間関係を含む③と④は達成が難しい。
特に競争と勝利を必要とする③優越欲求は安定した社会情勢で満たすことが困難。
トレードや論争、ゲームなどネット上で日々激しいバトルが繰り広げられているのも、現代人が優越欲求に飢えているが故なのでしょう。
自分の場合にも当てはめてみて、四つの欲求をバランスよく満たせているか考えてみましょう。
ここまで読んで勘の良い方は、
「あれ、なんで投資ブログなのに肝心の金銭欲が入ってないの?」
と気付いたかもしれません。
金の亡者の猫賢者がお金の欲望を忘れているわけがない。
次回はその理由として、欲望と行動の関係について説明します。
第三話⇒欲求と行動の整合性 金銭欲求は存在しない
