欲求の昇華 自己実現とは何か?

歳を取ると欲求も変わる?
第3話⇒欲求と行動の整合性 金銭欲求は存在しない
人は矛盾する複数の欲求を抱える一方で、その中でも最も注力している主欲求を持っています。
目的を持って人生を送る時、私達は安全・成長・優越・友好の中でも一番大事な部分に集中してます。
しかしながら、主欲求はいつまでも同じままではありません。
生活が安定したら、今度は成長や交友に意識が移っていくでしょう。
今の欲求を満たしたらまた次の欲求に移り、グルグル回りながら進んでいくのが人生です。

このグラフは一見ただの平面に見える・・・というか実際に平面なのですが、人生には確かな厚みが存在します。
エセ賢者には3D描画技術がないので、それが表現できないだけです。
現在の欲求が満たされればその部分が盛り上がり、他の欲求に転がり落ちていくことになります。
一つの欲求を満たしたら次の欲求へ移り、螺旋のように駆け上がっていく。
そうやって夢を叶えていく過程を自己実現と呼びます。
なお、現在の欲求を満たさずに欲求へ向かうことも可能です。
目的の達成が困難であれば、自分の意思で目標を変更することもあります。
例えば、
「青少年の強い性欲をスポーツで発散する」
といった話はよく聞くと思います。
この時欲求は「安定・友好→成長・優越」に遷移しています。
心理学においてこれは欲望の昇華と呼ばれます。
私達はただ本能に流されているのではなく、知恵と理性をもって叶える願いを選択しています。
(結局他の欲求を満たしたら戻って、後回しになる場合もありますが)

具体的にどのような形で欲求の遷移や昇華が行われるのか見ていきましょう。
ニート生活に飽きたので、英語を勉強したり資格を取得してみる
↓
①安定欲求→②成長欲求
・ひきこもりニート賢者が就職する
↓
①安定欲求→④友好欲求
・頑張ってダイエットしたけど、身体を壊して療養に入った
↓
②成長欲求→①安定欲求
・デモトレが終わったので、自分の力を本番で示したい
↓
②成長欲求→③優越欲求
・ボロ負けした。もっと強くならないと。
↓
③優越欲求→②成長欲求
・勝ち負けより仲間のことを考えよう(アドラー風に言うと劣等感の克服→共同体意識)
↓
③優越欲求→④友好欲求
・潰れそうな会社より自分の生活を考えないといけない
↓
④友好欲求→①安定欲求
・仲間だと思っていたけど、ライバルだった
↓
④友好欲求→③優越欲求

欲求を満たしながらどんどん切り替えていくのが自己実現です。
自己実現にはマズローの段階説のようなパターンもあれば、それ以外のパターンもあります。
マズロールート
マズローのピラミッドを①~④で表すと以下のようになります。
①生理的欲求→①安全欲求→④社会的欲求→③尊厳欲求→②自己実現欲求

これを平面座標理論に置き換えるとこうなります。
①安定欲求→④友好欲求→③優越欲求→②成長欲求
①から順に経験を積みながら、時計回りに移動します。
具体的な行動としてはこんな感じになります。
ひきこもり→就職→出世→創造的活動
逆マズロールート
時計回りもあれば、反時計回りもあります。
成長から競争に移り、仲間意識を育てていくルート。
会社での立身出世を考えると、こっちの方がありそうな気がします。
①安定欲求→②成長欲求→③優越欲求→④友好欲求
平社員→スキルアップ→出世→後輩の育成
ニートのグダグダルート
必ずしも上手く行くとは限らず、失敗と後退を繰り返すこともあります。
現実にはこっちの方が多いかもしれない。
①安定欲求→③優越欲求→①安定欲求→②成長欲求→①安定欲求→④友好欲求→①安定欲求
ひきこもり→ネットで喧嘩→負けて戻る→資格取ろう→諦めた→就職したい→面接落ちた
ニート賢者の人生とかこんな感じ。(おいおい)

以上はほんの一部です。
現実の私達は色々な理由で価値観を切り替えながら、自己実現を目指しています。
何も載っていない平板の上に経験を積み上げ、人生というひとつの芸術作品を作ろうとしています。
どうか自身のが何を望んでいるのか、何をそこに積み上げようとしているのか、考えてみてください。
あなたは自分の意思でどこでも好きな所に行って、何でも成し遂げることができるのですから。

第1話⇒マズローの欲求段階説を超える新理論を作ってみた