MMTに騙されるな① 一億総活躍社会はGDPが上がっても貧しい

死ぬまで働かされる社会。(T_T)
「経済成長とはGDPが上がること」→大嘘
リフレ派やMMT派、三橋貴明の影響を受けた反緊縮派(共産主義者)はこういったデタラメを流布していますが、実体経済とGDPにはあまり関係がありません。
むしろ現在の日本はGDPが上がる一方で、昔より貧しくなっています。
その理由は複数ありますが、特に大きいのが女性の社会進出。
仮に専業主婦だった女性が旦那の収入が足りないので、パートで働きに出たとしましょう。
パートを始めたので、当然その分だけ家事や育児、近所づきあいなどに使える時間は減ります。
①以前の仕事:家事や育児→賃金なし
②新しい仕事:スーパーで働く→賃金あり
①は元々家庭内で行っていたので、GDPとは無関係。
家の中が荒れようが、子供を育てなかろうが、経済指標には一切表れない労働です。
②はスーパーで商品を売るので、お金の移動が発生します。
彼女の働きでスーパーの売り上げが増えれば、その金額だけGDPが増加します。
以上のことから、専業主婦が仕事を始めるとGDPは増加することになります。
同じように定年を引き上げてリタイアするはずの高齢者が仕事を続けた場合も、GDPは上がります。
一億総活躍社会は、GDPが上がって当たり前なのです。

しかし、GDPが上がったからといって、私達の生活が豊かになったと言えるでしょうか?
人口動態統計の年間推計によると、日本の出生数は過去最低を毎年更新中。
どんどん子供が産まれなくなっています。
平成元年:124万6千人
令和元年:86万4千人
子供の数が減ったということは、育児という活動が過去最少になったということ。
家事や育児が減っても、経済指標には何の影響もない。
一方で女性や高齢者を働かせ、残業と休日出勤で動かした資金の量だけはきっちり集計される。
こんな統計に何の意味があるんですかね?

もちろん、経済指標に含まれないのは家事や育児に限った話ではありません。
ボランティアも日曜大工も自給自足の農業も、お金が移動しないものは全部対象外です。
マクロ経済学(インチキ経済学)において観測されるのは、お金の流れだけ。
GDP集計の対象
・家事、育児→×
・ボランティア→×
・日曜大工→×
・自家消費の農業→×
・企業の活動→〇
・政府の活動→〇
「経済の主役は民間企業なのだから、経済活動の大きさを計る指標としては正しい」
という考えもありますが、それにしても問題があります。
企業の支出と政府の支出が一緒にカウントされているからです。
政府の支出といえば、役所や警察などの公共サービスや公共事業、国防など。
公共事業費や軍事費を増やせば、GDPもその分増えます。
極端な話、国民が何も売買しなくても政府支出でGDPを水増しできるわけです。
「GDPに政府支出を含めると経済の実像を歪める」
こう提言したのは、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者サイモン・クズネッツ氏。
GDPの仕組みを考案した本人です。
彼が目指したのは、単なる生産量ではなく国民の経済的な豊かさを測定すること。
国民生活を成り立たせる前提にすぎない公共サービス(特に軍事費)については除くべきと主張していました。
しかし、米政府はこれを拒否。
政府支出を省くと政府が指標をコントロールできなくなるからです。
結局GDPは政府支出を含める形のままで、現在まで続いています。
日本の防衛費は、安倍総理が政権に返り咲いてから6年連続で増え続けています。
さらに総額26兆円、財政支出13.2兆円の公共事業を行うそうです。

それらは間違いなくGDPを押し上げ、安倍政権は増えた金額を成果として誇るでしょう。
けれど、そこに私達の生活水準は表れているでしょうか?
仮に国民が豊かになったとして、どうやってそれを確かめるのでしょうか?
GDPは時代遅れ欠陥指標です。
市場を経由しない活動は一切含まれていません。
子供を育てるという大切な仕事がなくなっても、金額が上がればOKと見なされます。
実際にはお金の移動がない活動の方が私達の幸福に寄与するとしても。
政府支出が増えたからといって、私達の生活が楽になるわけではありません。
日本の大事な資源が戦争の道具に使われれば、国民はますます貧しくなるだけです。
マクロ経済学は万能ではなく、国民生活のほんの一部の企業活動、その中でも一側面でしかないお金の移動量を見ているだけです。
お金の量と私達の豊かさには何の関係もありません。
「政府の赤字は民間の黒字」
「GDPが増えれば国民は豊かになる」
などといった甘い言葉で人々を誘惑する共産主義者に騙されてはいけません。
GDP(お金の量)で経済の良し悪しを語る経済学者は詐欺師です。

第二話⇒②MMTに騙されるな② 国債発行は財源にならない
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