植松被告の動機とBoomerRemover(老害排除剤)

死人に口なし。
前の話⇒相模原障害者殺人事件 植松聖容疑者は何のために誰を殺したのか?
今回はリクエストがあったので、「津久井やまゆり園事件」について再度見解を述べたいと思います。
3月16日、横浜地方裁判所にて植松聖被告に死刑判決が下りました。
45人を襲って19人を殺害したので、責任能力が認められた以上判決は覆らないでしょう。
ただ事件の背景や動機がはっきりしていないので、すっきりしていないの人もいるはず。
エセ賢者が考えるに、この事件の動機は現在発生しているコロナウィルス騒動に通じるものがあるのではないかと思います。
「殺人事件と武漢肺炎(COVID-19)に何の関係があるの?」
と思うでしょうが、どちらも社会保障費という点で繋がっています。
パンデミックの懸念から大半の国は不用意な外出を控えるように促していますが、一部の国では敢えて外出禁止令を無視している人達がいます。
アメリカの若者は新型コロナウイルスをBoomerRemover(老害排除剤)と呼んで、積極的に感染を広める行動をしています。
とんでもない迷惑な話ですが、理屈としてはわからなくもない。
若者だって肺炎にかかりますが、死亡や重症に至る可能性は高齢者よりずっと小さい。
外出禁止令で一方的に行動を制限され、高齢者のために多額の医療費を負担するのは損しかない。
ならば自身が疾患するリスクを取ってでも流行させ、高齢者を減らす方に動くべきはないか?
増税という重荷から若者を解放するチャンスではないか?
そういう考えで彼等は反社会的な運動を行っているのだと思います。

実際、あらゆる先進国で社会保障の問題は顕在化しています。
医療費や生活費を捻出するために増税を繰り返したり、財政の破綻が迫っている国も少なくありません。
日本の社会保障給付費は120兆円で、一般会計の全予算よりも大きい。
年金保険料・健康保険料・消費税は一方的に上がり続けて、国民負担率は48.7%になってしまいました。
自立できない赤の他人のために給料が徴収されている現状では、若者が解放を望むのも無理からぬことです。

植松被告の発言にも、障碍者による負担を懸念する部分が多数見られます。
「意思疎通のとれない人は不幸を生む」
「お金と時間を奪っているから」
「重度障害者を育てるのは間違っている」
私怨や快楽ではなく、「社会の負担を減らす」という目的で動いていたのは明らかです。
彼は襲撃の際に職員を連れ回して個々の入居者を確認し、意思疎通が不可能な重度障碍者だけを殺害しました。
これは非常に面倒で、失敗するリスクも大きい。
もしも「障碍者が憎い!全部消えてしまえ!」といった復讐が動機なら、こんな煩雑な手段を取る必要はありません。
京アニに放火した青葉真司のように、全部まとめて焼き払ってしまえばいいだけのこと。
そうせずに一人一人確認して判断したのは、
・話せない人→社会に貢献する可能性がなく、健常者に負担をかける→排除する
・話せる人→社会に貢献する可能性がある→排除してはならない
のような明確な線引きが存在したということ。
ひどく独善的ではあっても、彼の頭の中には大義があった。
だから死刑判決を受けても全く揺らがない。

もちろん、猫賢者だって植松の行動に賛同はしません。
理解できるのと賛成するのは別問題。
全国民の生存権が保証された日本において、どんな理由があるにせよ殺人は許されない。
遺族は苦しむし、社会が混乱するデメリットも大きい。
けれど、この二つは全く別の目的なので、結局どこまで議論しても平行線にしかなりません。
①植松の目的・・・重度障碍者のために健常者を犠牲にしてはならない
②道徳の目的・・・全ての命を大切に扱わなくてはならない
たとえ植物人間でも、みだりに命を奪ってはならない。
けれど、彼等のために増税を続ければ若者の生活や育児のコストが支払えなくなり、社会全体が衰退してしまう。
目的次第でどちらも正しくもなるし、間違いにもなるわけです。
植松被告の死刑は法治国家として妥当な判断ですが、彼が死んだからといって日本が抱える問題が解決するわけではありません。
資源は限られているので、急速に少子高齢化が進む中で手厚い介護を続ければ、未来を担う者がいなくなって国が沈みます。
老人が延命のために政府を介して合法的な強盗をするなら、若者はBoomerRemoverのように強硬な手段を用いるしかありません。
少子化が進み、イノベーションが起こらなくなくなった今の日本を放置していいのか?
社会復帰の可能性がない者を延命するために労働者を犠牲にしていいのか?
国家はどこまで国民の生活に責任を持つべきなのか?
日本人ひとりひとりが考えてみるべきではないでしょうか?
⇒社会保障の『もう一つの役割』を忘れた国家は滅亡する

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