逆オイルショック 原油先物史上初のマイナス価格!
2020-04-22|FXのカラクリ(初心者向け)

もはや水扱い!?
2020年2月20日に歴史上初の大惨事が発生。
原油の価格がマイナス40ドルになりました。
新型コロナのロックダウンで、航空機や自動車の燃料需要が低下。
それに伴って値下がりするのはわかっていましたが、まさか負の値になるとは。
360年前から先物相場に携わっているエセ賢者もびっくりです。
正確に言うと現物の原油を買えばお金がもらえるわけではなく、米国産WTI原油の先物価格(5月物)が1バレル=マイナス37・6ドルになりました。
要するに「5月分の石油を買うよ」と約束していた投機家が、土壇場になって「タダでもいらねーよ!」と手の平を返したわけです。
元々先物を取引する投機筋は現物を買う気なんてないから、期限前に決済するのは当然かもしれない。
けれど、価格がマイナスになっても実需の買い手がつかなかったというのは驚き。
経済活動を自粛している今の世の中においては、石油は単なる汚水になり果てたということでしょうか。
原油というより廃油。
最強のプロポーズも使えなくなりますね。

今回のように価格がマイナスになることは、FXや株式投資ではあり得ません。
DMMは全くそれを想定していなかったらしく、市場価格がマイナスになっても原油価格は0.01で止まっていました。
GMOはCFDの対象を次月に無理矢理切り替えて維持してますが、指値約定・即ロスカットを引き起こしているようです。
通貨や株はただの電子データなので、何年放置しても腐りません。
保管場所も必要ないし、インターネットを介して一瞬で送ることができます。
ロールオーバーもスワップを払うだけで順次行えるので、決済日も気にせずに済みます。
一方で、原油などの商品は現物の受け渡しを前提にしています。
石油は半年も放置しておけば劣化して使い物にならなくなります。
保管も移動もコストがかかります。
保管などにかかったコストの分だけ、コンタンゴの形で価格調整が入ります。
産油国からはどんどん原油が沸いてくるけれど、今は貯蔵庫がパンクして場所すらない。
安易に捨てればかつての流出事故のように環境を汚染してしまうため、処分にも金がかかる。
もはや産業廃棄物。

「現物の価値はゼロにならない」
とヌコ賢者はなんとなく思い込んでいましたが、認識を改めないといけませんね。
誰にも必要とされない物資の販売価格はゼロだし、保管や輸送の手間があるからマイナスになることもあります。
オクラホマまで取りに行く気概もないのに安いというだけで原油を買うのは、そもそも間違ったことなのかもしれません。
それにもかかわらず、結構な個人投資家が手を出して大火傷をしたようです。
1バレル=20ドル以下は歴史的な安値水準なので、飛びつきたくなる気持ちもわかりますが。
投資系YoutuberのJIN氏は135万円の損失。
cis氏は4桁の損失。
オーリー氏もナンピン中だとか。
(多分デモだろうけど)
落ちるナイフを心臓に突き刺すので有名なエセ賢者も10ドルくらいで買おうと思っていましたが、猫神様の忠告で難を逃れました。
普段はどんな無茶も傍観してる神様ですが、今回は珍しく「ギャンブルはダメ」とはっきり伝えてきました。
内在神(インナーチャイルド)の危険関知能力は意外と侮れないものです。
私達投資家は「損をしたくない」という思惑からとにかく割安な金融商品を狙いがちですが、それがかえって今回のような悲劇を引き起こしているのかもしれません。
現物が存在するからといって、市場での価値がずっと保証されることはありません。
下落中のナイフには手を出さないように。
底なんて狙わなくていいので、一度地面に落ちて転がるまでじっくり見届けましょう。

⇒コロナショックと原油安と株価暴落の関係
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