コロナバブル 経済ボロボロで株価が上がる謎
2020-06-06|経済を考える

金が余ってしょうがにゃい!?
米雇用統計
・5月米失業率 13.3%(予想 19.1%・前回 14.7%)
・5月米非農業部門雇用者数 250.9万人(予想 -750.0万人・前回 -2053.7万人)
米雇用統計が極めて良かったこともあり、株高円安が強烈に進んでいます。
なんで予想マイナス750万人に対して実際はプラス250万人?
真面目に予想しとんのか?
結果は予想より良かったとはいえ、ワクチンが完成したわけでも、企業の業績が回復したわけでもありません。
なのにダウは1000ドルかち上げ、既に株価はコロナショック前の水準に近づいています。
ナスダックに至っては最高値を更新中。
実体経済を無視したリスク資産の上昇。
まさにコロナバブルと呼ぶに相応しい。
コロナショックの反動からある程度反発があると思っていましたが、急激な全面円安は予想外。
日銀のスタイルに大きな変更がないのに、ここまで円安になるとは思っていませんでした。
猫賢者のポートフォリオ全体としては円売り(豪ドルなど)と円買い(トルコリラ)でバランスを取っていますが、リラのショートで大きく損失を抱えています。
これは痛い。
トルコの情勢より日本のバラマキを見るべきだったか。
上昇トレンドに転換した理由を挙げるなら、以下の四つ。
①経済再開の織り込み
②金融緩和・財政出動
③インフレ懸念
④ショートカバー
①経済再開の織り込み
流行病はグローバル社会にとって大きな脅威ですが、おそらく1~2年程度でワクチンや集団免疫の獲得で終息します。
航空業界、自動車業界、石油業界などは今は苦境ですが、将来の業績回復見込みから株価が上昇に転じたものと考えられます。
相場は既に結果を先取りしているので、実際に企業の利益が戻ってもさらなる上昇は期待できないかもしれません。
②金融緩和・財政出動

バブルの主因。
日米欧をはじめとして、世界中のあらゆる政府・中央銀行が企業を守るために財政出動と金融緩和を行っています。
日本もコロスケ対策に過去最大の予算(真水33兆円)を計上。
日米の中央銀行は無制限の金融緩和で株やジャンク債をどんどん買っています。
バラマキの量はリーマンショックの比じゃない。
余りまくった金はどこかに投資しなければいけないので、ファンドは株や為替にありったけぶち込んでいる感じです。
③インフレ懸念
ジャブジャブ供給された金は、実体経済や商品先物市場にも流れます。
通貨が過剰に供給されれば、物価は上がらざるを得ない。
インフレの恐怖から人々が貯蓄を取り崩し、株などのリスク資産に投資。
その結果さらに株価が上がっていくという連鎖で上昇トレンドが形成されます。
④ショートカバー
コロナ後の二番底を期待して売っていた投機筋や個人投資家がかなりいます。
上昇がロスカットレートに達すれば、損切り注文が連鎖してオーバーシュートします。
特に豪ドルなどは売りが溜まっていたので、無慈悲な上げにより押し目もなく上昇したと考えられます。
どう対応すればいいのか?
トレンドは一度始まったらいつ止まるのかわかりません。
8月近くなれば夏枯れ相場で一旦止まるかとエセ賢者は思っていますが、それも確証はありません。
安易な逆張りを避け、素直に流れに乗るのが賢明です。
ポートフォリオはリスクオフ資産、円ロングが過多にならないように気を付けましょう。
戻り売りを狙ってショートばかり持っていたら、本気で死ねます。
猫賢者は次のようにバランスを取っています。
リスクオン資産(円ショート)・・・豪ドル、NZドル、日本株、S&P500インデックスETF、プラチナのロング、VIXショート
リスクオフ資産(円ロング)・・・トルコリラショート
リラ売りを多くしたために結構な含み損が出ていますが、ポートフォリオ全体としてはバランスが取れています。
相場にリスクオンに傾いてもオフに転換しても、一方的に利益・損失が出ることはありません。
現在のマーケットは実体経済を完全に無視したバブルに陥っています。
仮にコロナの第二派が訪れてネガティブなニュースが流れたとしても、中銀がばら撒いた緩和マネーの勢いは止められないかもしれません。
くれぐれも安易なショートにご注意を。

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