インフレは富裕層を潤し、格差を広げる

電通が儲かるだけ! ( ノД`)
「インフレは金持ちが損、貧乏人が得をする」
このような思い違いをしている人がいますが、現実は全くの逆です。
インフレは富裕層ほど大きな恩恵を受けます。
一般人にはわかりにくいけど、トレーダーはそれが事実だと知っています。
確かにインフレは貨幣価値の低下なので、貯金が多いと損をします。
一方で借金が多いと得をします。
だったら上記は正しいように思えますが、実は違います。
なぜなら、富裕層ほど大きな借金を抱えているからです。
まず企業。
株式会社は銀行の融資と株式発行によって資金を調達しています。
銀行からの融資は、もちろん借金。
株式は返済義務はないけれど、経営権を担保に民間から資金を集めているから実質的な借金です。
企業は借入金を元手に運営されているので、インフレの方が都合が良い。
政府は企業以上に借金漬けなので、説明不要。
1000兆円超えの国債を支えるために、自民党政権は成長戦略と偽ってリフレ政策を行っています。

投資家(ヘッジファンドを含む)も、実は借金を利用しています。
彼らは自己資金を担保に株式や外貨、貴金属、暗号通貨、不動産などを売買しています。
自分のお金で直接株を買ってもいいけれど、それだと資金効率が極めて悪い。
10万円あってもユニクロ(ファーストリテイリング)を一株しか買えません。
ビットコインなんて1枚で600万円もします。
そこで使われるのはレバレッジ。
信用取引のレバレッジを使えば、自己資本の何倍ものポジションを取ることができます。
株式なら3倍、国内FXなら25倍、海外の取引所なら100倍以上も珍しくありません。
手持ちが10万円しかないのに、250万円の金融商品を買えるのはなぜ?
それは証券会社から借金をしているからです。

信用取引の場合、口座のお金は証拠金。
売買に直接使われるわけではありません。
実際は証券会社から借り入れたお金で売買を行い、決済した後に差額を反映しています。
・口座残高10万円 250万円分のドル円を買う
↓
・ドル高円安で、5万円分の利益を決済
↓
・口座残高15万円になる
実際こんなフルレバでやる必要はありませんが、仕組みは同じです。
たとえ証拠金以下の取引でも、口座残高を使うわけではありません。
レバレッジに応じた借金を原資に売買をしています。
日経ダブルインバースのように、それ自体がレバレッジを持つ銘柄もあります。
銀行は預金を貸し付けているのではなく、預金を担保にその10倍の融資を行っています。
私達は日銀が発行したキャッシュが市場に流通していると思っていますが、現実に使われているのは銀行の生み出したクレジット。
金融の世界は、借金が借金を生むことで成り立っています。
資本主義は借金で動いているのです。

・企業→借入金で運営→インフレ歓迎
・政府→債務を減らしたい→インフレ歓迎
・資産家→レバレッジ取引、現物資産→インフレ歓迎
・一般家庭→貯金しかない→インフレで困窮
もうおわかりですね?
インフレは金持ちが得をします。
株式や現物資産を持つ資産家はインフレの被害を受けません。
むしろレバレッジをかけて取引することにより、より大きな利益を得ることができます。
庶民は固定給で働いているので、インフレになるほど実質賃金が低下します。
インフレ目標が達成されれば、毎年2%ずつ貯金が減っていきます。
インフレ誘導は実質的な税金であり、既得権益への利益誘導です。
安倍や三橋のようなリフレ派の暴走を許せば、格差はどんどん広がっていくでしょう。
⇒反緊縮(財政リフレ派)の詭弁 インフレは労働価値の上昇?
