値動き仕組み 需要と供給のウソ
2013-08-21|FXのカラクリ(初心者向け)

トレードとは値動きのゲームです。
FX、株、商品先物、債権・・・・・・・・・・・・・
何一つ、例外はありません。
買った物の値段が上がれば、儲かります。
下がれば損をします。
「何を当たり前のことを言っているんだ?」
そう思われるでしょう。
では、なぜ値動きが生まれるのでしょうか?
トレーダーを殺すのに刃物は要りません。
値動きがなくなれば、たちまち絶滅します。
命に直結する価格変動が、なぜ起こるのでしょうか?
「そりゃ、需要と供給があるからだろ?」
イエス!ザッツライッ!
なかなか勉強していますね。
価格は需要と供給で決まります。
需要が大きければ上昇し、供給が大きければ下落します。
式で書くと、
価格=定数×需要÷供給
完璧です♪
これで全部説明できますね。
では、本日のドル円の値段を計算してみてください。
おや、どうしました?
どんな資料を使っても構いませんよ。
銀行や政府のサイトに行って、需要と供給の値を調べてきてください。
ドル円は取引が多くて難しいですか?
ポンドでもキウイでも、金や原油でも構いませんよ。
あれ、できないのですか?
・・・・・・そうですね。
もうわかったでしょう。
需要と供給の計算は、時間軸を固定した上で世界全体が見渡せるという仮定があってようやく成り立つのです。
調べることができるとしたら、ラプラスの悪魔だけ。
巨大かつ連続的に変化するマーケットでは、需要も供給も知りようがないのです。
現実のマーケットにおける値動きは、もっと単純で不条理なものだったりします。

☆買えば上がり、売れば下がる
為替をゲーム販売に例えてみましょう。
超人気ゲーム「ファイナルロマサガクエスト3」が貴方の店に100本入荷しました。
定価6,800円で店に出したところ、あっという間に50本も売れてしまいました。
喜ばしいことですが、貴方は貪欲な商売人。
「残り50本を同じ値段で売るのは勿体無い」
と考えて、7,800円で売ることにしました。
「売れるかな?」と心配しましたが、さすが超人気ゲーム。
7,800円でも20本売れました。
「これならもっと高く売れるんじゃ?」
思い切って、12,800円に設定しました!
期待して、客を待ちましたが、一向に売れる気配がありません。
「やっぱり、無理があったかな~」
そう思っていると、急にお客さんが20人も来ました。
「もしかして、売れるかも・・・」
と思っていたら、買取希望でした。
しかも、商品は昨日売った「ファイナルロマサガクエスト3」。
「なってこった~!」
売れない上に、中古在庫も増えました。
しょうがないので、価格を7,800円に下げました。
それでも売れず、さらに30本買取が来ました。
超人気ゲームはクソゲーだったようです。
他の店で売られたソフトも持ち込まれ、値段はどんどん下がって行きました。
最後には、980円のワゴンセールに入ったのでした。
めでたし、めでたし

いかがでしょうか。
この話、何かに似ていませんか?
そう、投資の値動きと同じなのです。
価格とは、綿密な計算式で決まるものではありません。
ゲーム店の店長=「銀行のディーラー」が、売り買いの差を見て勝手に決めているのです。
厳密にはインターバンクや株式市場内で平均化され、突飛な変化は出ないようになっていますが。
彼らの思考は実に単純です。
①買われたら、高くする
②売られたら、安くする
ただ、それだけです。
適正レートなんかありません。
円高になったなら、誰かが円を買ったのです。
円安になったなら、誰かが円を売ったのです。
アベノミクスで急激な円安になったのを、
「過度な円高の是正」とかいう
わけのわからない言葉で、ごまかしている政治家がいます。
円安になったのは、誰かが、異常な位、円を売り込んだからです。
その犯人は・・・・・・自分で考えてください。
誰かを糾弾するのは、このブログの趣旨ではありませんから。
①買ったら上がる
②売ったら下がる
これだけが相場の真実です。
貴方が相場で利益を得たとしたら、誰かが貴方の後に買ったのです。
貴方が相場で損失を被ったとしたら、誰かが貴方の後に売ったのです。
さらに、貴方の取引が値動きを作り出し、他の誰かに波及します。
投資とは、一人ではできないもの。
たとえ部屋に引きこもって、チャートを眺めていたとしても、自分一人で生きているわけではありません。
世界という巨大な渦の中に、自分がいる意味。
よく考えてください。

⇒ヘッジファンドとドミノ 連鎖的破滅
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