トルコハイパーインフレ! 利下げ終了でトルコリラ安は止まるか?

さすが逆神!
エルドアン大統領「トルコリラに関する問題はまもなく解決するだろう」
本音「デノミ万歳!どんどんリラ安になれ!」
エルドアンの執拗な利下げで、大暴落したトルコリラ。
政策金利は14%まで下がり、リラは13円から6円台まで急落しました。
たった1年で50%ダウンとか、どこの草コインですか?
いつの間にか南アフリカランドとパリティ以下になってしまいました。
既にインフレ率は21%に達していますが、まだまだ上昇は止まらないでしょう。
ベネズエラやジンバブエのように、ハイパーインフレに達する可能性すらあります。

唯一の救いは、利下げの打ち止め。
ガンガン金利を下げるよりはマシですが、それでもリラが元の価値に戻ることはないでしょう。
そもそも利下げは通貨安の本質的な原因ではありません。
デブが「ダイエットしなかったから太った」と言うのは間違いではないけど、根本的な理由ではありませんよね。
本当の理由は「食べ過ぎた」からであり、ダイエットは肥満の防止を怠っただけです。
金利はブレーキのようなもの。
お金の動きを緩やかにしてインフレを防ぎ、他通貨と金利差の勾配を作ることで通貨安を防ぎます。
通貨の交換を制限するのが主な役割であって、国民がリラを売る動機ではありません。
(金利差を目的にしたトレードはあるが)
リラを売る動機、アクセルは民衆の需要です。
政府や国民がたくさんのリラを手に入れて、それを外貨や商品に交換するからレートが変化します。
簡単に言えば、通貨を大量発行して使うから、通貨の価値が薄まるのです。
価値が半分になるほどリラを大量発行したのは誰か?
もちろん、政府と中央銀行ですね。

出典:世界経済のネタ帳
トルコの政府債務は、20年で約30倍になりました。
特に新型コロナ発生後は財政出動が大きく、留まるところを知りません。
国債を引き受けているのは投資家ではなく、主に中央銀行と傘下の銀行。
要するに、日本同様財政ファイナンスまがいのことをやってるわけです。
国債発行とは、通貨発行。
市中に流れるお金を増やせば、当然お金の価値が希釈されてインフレが進みます。
トルコのように貿易赤字・経常赤字の国なら、通貨安も進んでしまいます。
つまり、リラ安を招いているのは、放漫財政と経常赤字。
利下げが終わったところで、金を刷り続ける限り通貨安は止まりません。

エルドアン「リラ安は投機の仕業!奴らが去って金融緩和で経済が成長すればインフレは止まる!」
投資家「原因はエルドアンの利下げ!利上げすればリラ安は止まる!」
どっちも間違いではないけれど、本質を掴んでいません。
投機が売り仕掛け手じまい刷れば一旦リラは持ち直すでしょうが、札束を抱えた民衆がリラを売る実需は止まりません。
緊急利上げをすれば一時的に資金流出は止まるでしょうが、金利を下げたらまたリラ安が噴出します。
放漫財政・経常赤字というリラが売られる体質を変えない限り、大きなトレンドは変わらないでしょう。
もちろんそれは、放漫財政で財政ファイナンスを行い、過去40年で最悪の円安に陥っている日本も同じこと。
輸入超過・貿易赤字の状態で財政出動など行えば、円が売られて輸入インフレが発生します。
役人はインフレで借金が減って喜びますが、物価高で苦しむのは庶民です。

政府が景気対策と嘯いて金融緩和を行いますが、実際は金利負担を減らすためです。
国債の大半を中銀に買い取らせて金利を下げれば、借金の利子を払わなくて済みます。
リフレ派が「インフレが景気にいい」とデタラメを吹聴するのは、インフレで税収が増え、実質的に政府の債務が縮小するからです。
放漫財政で発生するインフレはただの税金であり、経済成長に寄与するものではありません。
結局、エルドアンの掲げるインフレ対策はパフォーマンスで、本気で通貨安を止める気なんかないのでしょう。
でなければ、さらにインフレを加速する最低賃金50%引き上げを提唱するわけがない。
高金利に釣られて紙屑になるリラを円と交換してくれるワタナベは、エルドアンにとって絶好のカモ。
為替介入の資金は、通貨スワップで韓国に肩代わりしてもらえばいい。
外貨建て国債もあるが割合は小さく、いざとなれば踏み倒して海外投資家の負担にすればいいだけの話。
これだけ他者を食い物にしていれば、そりゃ暗殺者にも狙われますよね。
行き着く先はハイパーインフレでデノミ、取引停止か。
その前に緊急利上げやIMFあたりの救済で一旦止まるか。
どちらにせよ、割安だからといって投資家に損失を押し付ける放漫財政国家に投資するのは止めましょう。

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