財政出動・量的緩和・利上げでポンド大暴走!矛盾した政策で迷走するイギリスの未来は?
2022-10-01|FXのカラクリ(初心者向け)

今更何言ってるの!? ((´・ω・`;))
どうも、英国紳士に憧れて作法を身に付け、立派な変態紳士に成長したエセ紳士です。
英国の政府と中銀が支離滅裂な政策を発表したため、英国市場が大混乱しています。
トラス「大規模な財政出動・減税を行う!」
↓
市場「インフレが止まらなくなるぞ! 売りまくれ!」
↓
ポンド・株式・国債のトリプル安
↓
英中銀「必要なら躊躇なく利上げするぞ!」
↓
市場「ポンドを買い戻せ!」
↓
ポンド急騰
↓
英中銀「でも国債を購入するわ!」
↓
市場「わけわからん!」

インフレ対策に利上げを続けてきた英国が、まさかの財政出動。
インフレの加速を予期してポンドが売られ、さらに財政赤字懸念から英国債も売られました。
緊急利上げでポンドの防衛に動くかと思いきや、中銀が選んだのは国債購入。
要するに利上げ局面で量的緩和(QE)に踏み切るという、真逆のことを同時に始めたわけです。
日本やトルコに続いて、英国もインフレ中に金融緩和。
ブルータス、お前もか・・・
通貨の番人であるはずの中央銀行が通貨を紙屑にしようとしてるんだから、ホント理解に苦しみますね。

ただ、優先順位を考えて一時的な措置をしたのであれば、英国の判断も間違ってはいません。
おそらく、英国は為替市場や株式市場より債券市場を優先したということでしょう。
世間一般には知られていませんが、債券市場は為替市場や株式市場より大きい。
国家や企業の財務の根幹を成しているので、それが破綻すれば経済が止まってしまいます。
実際に財政出動を宣言した時の債権安で、英国の住宅ローン貸付はストップしていました。
日本も円安を容認してでも指値オペで金利を抑えているので、債券市場の安定は何よりも優先すると考えていいでしょう。
まぁ、財政破綻してしまえばどうせ株や債券も暴落してしまうので、当然の決断かもしれません。
英国の決断で金融市場が安心したためか、あるいは単に投機のショートカバーか知りませんが、一旦ポンドは値を戻しています。
ただし、危機が過ぎ去ったわけではありません。
財政出動+利上げ+国債購入という矛盾した政策により、経済がどう転ぶかはわかりません。
長期的にはさらにインフレが進んでいずれ暴落すると思ってはいますが、何が起こっても不思議はない。
元々殺人通貨として名を馳せていたポンドのボラティリティがさらに上昇するのは確実。
低レバでも死にかねないので、トレードする時は損切りを忘れずに。
かつてのイギリスショックでも沢山の人が破産したので、初心者は安易に触らないように。
⇒レフェレンダムショック 英国EU離脱決定による株価下落・追証状況

- 関連記事
- Genre:株式・投資・マネー
- Thread:FX(外国為替証拠金取引)