相場に周期性は存在するのか?
2014-03-01|FXのカラクリ(初心者向け)

相場もこれくらいシンプルならいいのに。
相場の基本はチャートです。
「時間軸に対し価格がどう変化するのか?」
それだけを知る為に、様々な数学的試みがなされてきました。

為替は一見ランダムに見えますが、よく見ると法則がありそうな気がします。
特に「上がったら下がる」のような一定のリズムが見えてくることが多い。
そう思った数学者達は、何十年にも渡って相場の周期性を分析してきました。
周期性とは、一定時間において常に同じ現象や運動が繰り返される性質を表します。
世の中のマクロな出来事は何らかの周期性を持っていることが多く、今がどのタイミングにあるかを知ることで、ある程度の未来を予測することができます。
☆周期性のある物事
・一年の気温、日射量、降雨量など
・一日の気温、日射量
・月の満ち欠け
・潮の流れ
・女性の生理
ありとあらゆるものには特定のリズムがあります。
夏の気温が冬の気温より低いことは、まずありません。
多少の誤差はあっても、大体その通りに動くものです。
これらの周期的な変化を受けて、また別の概念にも周期が生まれることがあります。
例えば、傘は降雨が集中する梅雨時に需要が大きくなります。
作物の値段も、旬の時期かどうかでかなり変わりますね。
ワインやビールの販売量も気温に依存し、好調なときと不調なときがあるそうです。
季節変動の周期が経済活動に影響を与えるのなら、株価や為替にも周期性が生まれることになります。
実際にビール会社の株価は、季節によって明確の変動が認められるという話もあります。
株式、為替、商品といった相場そのものが、なんらかの周期性を持っているのかもしれません。
そんなわけで、相場の本質を掴む為に多くの周期メカニズムが提唱されてきたわけです。
☆相場の周期性説
・為替相場の周期性 メリマンサイクルなど
・株式相場の周期性 セルインメイ(5月に売れ)
・商品相場の周期性 農産物、ピッグサイクル(豚価格)
景気変動や季節要因、銘柄特有の原因など、理由は様々ですが、一定の傾向が認められる銘柄は数多くあります。
農産物などは比較的わかりやすく、為替や株式には理由がよくわからないものも数多くあります。
中には、
「株式市場は数十年周期で必ず暴落が起こる」
とか、
「大統領選挙の年には円安になる」
といった大きなスパンで同じことが繰り返される説もあります。
ある程度長期的に傾向が見られるものはアノマリーと呼ばれます。
株式市場では古くから、「10月から4月までは株高で、夏から秋には下げる」
というアノマリーが知られています。
これが正しいければ、10月末に株を買い(円を売り)、4月末に決済するだけで高確率で勝てるということになります。
単純すぎて怪しい話ですが、実際にそういう傾向があるのは事実のようです。
相場に周期性(あるいは何らかの傾向)があると仮定した上でチャート上を解析して、将来の価格を予想することをテクニカル分析と言います。
テクニカル分析で未来を予測する行為は、相場にリズムが存在すると考えているということになります。
もしも貴方が取り組んでいる相場に周期性を見つけたいと思ったら、数学的なアプローチをしてみるといいでしょう。
チャートにフーリエ変換でも使ってみれば、新しい発見があるかもしれません。
大抵のトレーダーは数学的教養に乏しいので、実行できる人はあまりいないでしょうけど。
ガチ理系のエセ賢者はともかく、一般の人は虚数軸の話すら理解できるかどうか。
フィーリエ変換でも最小二乗法でも移動平均線でいいのですが、実際に分析してみると何らかの規則性が見つかります。
過去の履歴から未来に繋がる道筋が見えてくるのです。

法則が見つかればしめたもの。
未来の相場が丸わかりです。
「これで勝率100%!」
・・・と思うのですが、現実はそんなに単純には行きません。
確かに傾向はあるが、毎回同じ結果になるわけではありません。
相場にイレギュラーはつきもので、予想と全く逆に動くこともあります。
一番危険なのは、自分が見つけたルールが絶対正しいと思い込むことです。
「ルールに従えば今が底で、これからは間違いなく上がる」
と思っても、底抜けしていくことはあります。
そんな時にルールの正しさを盲信して、ポジションを持ち続けますか?
それとも間違いを認めて決済し、仕切り直しますか?
「目論見どおりにいかないときにどうするか?」
ここで貴方のトレーダーとしての資質が問われます。
果たして貴方は正しい選択を取ることができるでしょうか?
ルールを作る時に、シナリオが崩れた際の対処を考えておくといいでしょう。
相場に確実な周期性があるかどうかはわかりません。
変数が多いながらも一定の仕組みで脈動しているのか、それとも全くのカオスなのか、エセ賢者にも判断が付きません。
けれど多くのトレーダーと数学者はそれに法則があると信じ、何らかの解答を得ているようです。
そうした理論に則り、膨大な利益を得ている者がいるのも確かです。
しかし、未来は定まらないものであり、どんな優れた理論も常に正しいとは限りません。
当たることも、外れることも、必ずあるのです。
シナリオが破綻したとき、貴方はどうするか。
それを良く考えておいてください。

出る目がいつも同じなら、賭け事なんて存在しないのだろう。
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