臨機応変 晴れた日には日傘を
2014-04-24|FXのカラクリ(初心者向け)

相場で失敗する原因の一つに、パターン化への過度な依存があります。
過去の統計を取って、それと同じ結果を期待することは間違っていないのですが、
「過去と現在は違う環境にある」
ということを忘れている人が非常に多い。
・チャートがこういう形になったら、押し目を作って上昇することが多い。
・この価格帯を突破したら、上にブレイクすることが多い
・3月は円高になることが多い
こういったテクニカル分析やアノマリーは、一定の期間を見れば確かに正しい。
けれど、それは今とは何の関係もない昔の話です。
ゆえに、信憑性は低い。
例えば、2008年~2011年はずっと円高ドル安が続いてきました。
毎年初夏から秋にかけてドル円が10円ずつ下落しており、多少反発はあっても夏にドルを売っていれば儲かりました。
その期間のトレンドに従って取引をしていれば、簡単に勝てたのです。
しかし、2012年から始まった急激な円安トレンドによりその法則が打ち破られ、それまでと同じ取引をしていた人は損切りを余儀なくされました。
3月も8月も円安で、これまでのアノマリーが全く通じなかったのです。
その原因はご存知の通り、アベノミクス。
政権と日銀のメンバーが変わり、国家が量的緩和により円安への舵を切った為です。
2011年以前とは、まるで環境が変わってしまったのです。
環境が変われば、周囲のパラメータも当然変わります。
夏と冬で、同じような天候が続くでしょうか?
当然、季節によって変動がありますよね。
雨の日と晴れの日で、同じような湿度になるでしょうか?
もちろん、雨の日のほうが湿っていますよね。
晴れの多い地域だからといって、梅雨時に傘を忘れる人はいませんよね。
きちんと天気予報を確認し、傘を持って出かけるはずです。
けれど、相場をやっている人は天候がわからない人が多い。
全ての時期に、同じような理屈が通じると思ってしまっています。
全てを一緒にパターン化してしまうと、それがいつ通じる手法なのかわからなくなってしまうのです。
アベノミクス時に円高時代の理屈を持ち込むのは、夏にセーターを着込むようなもの。
極寒の冬からせっかく学んだことが、後にはマイナスに働くこともあります。
私生活ではすぐに気付くのに、相場になると見落としている人があまりにも多い。
環境認識は、パターン認識よりも遥かに重要です。
円高になりやすい時期もあれば、円安になりやすい時期もあります。
好材料で株価が上がりやすい時期もあれば、少しの悪材料で大きく下落する時もあります。
時代の流れは、一定の統計学よりもずっと強く相場を支配しているのです。
雨の日が続いたからといって、「次は晴れる」と考えていないでしょうか?
環境を無視して、乱暴な確率論に逃げていないでしょうか?
その世界にも季節感とはあるもので、偏りというのははっきり現れるものです。
晴れの日に雨傘を持ち歩くのは止めましょう。
梅雨時に晴天を期待するのを止めましょう。
相応しくないことは、やっぱり起こりにくいのが道理。
相場で勝つためには、普遍の真理を求める必要はありません。
その場その場で環境にあった、適切な道具を選べばいいのです。
今がどんな状態にあり、何が起こりやすい時期なのか。
環境を読む洞察力を養っていきましょう。

今必要なのは、傘より立体起動装置。
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