買い手と売り手 一人では売買は成立しない

オマケをつければ契約が取れるのか?
商売は一人では成立しません。
まず製品やサービスを売る人がいて、その上で買う人が現れれば、売買が成立します。
当たり前のことですが、投資家の多くはそのことを忘れているようです。
株やFXといった先物市場は実際に物を売り買いしているわけではありません。
電子取引が殆どなので、顔を合わせて売買することもありません。
しかし、お金を通した売買である為、必ず買い手と売り手が存在します。
マウスクリックで注文が成立するといっても、一人で完結しているわけではありません。
取引量の少ない株式の売買すると、それを実感することができます。
買いたいと思っても、株を売ってくれる人がいないと約定しません。
一部だけ約定したり、先約の指値に取られることもあります。
FXの場合、注文が約定しないことはまずありません。
取引量が非常に多く、流動性が高い為、成行でも少々のスリッページを我慢すれば注文が刺さります。
そもそも銀行は、ほぼ無限に両替ができるわけだし。
それでも、一人で売買が成立しているわけではありません。
FXは一応インターバンクに注文を流し、外貨の両替を行う取引です。
FX業者とバンクを仲介して、投資家同士が売買をしていることになります。
仮に呑み業者で注文を流さなくても、業者相手に取引しているわけです。
しかしながら、長いことFXをしていると、段々そのことを忘れていきます。
株式の現物と違って注文が成立しないことがない為、売買をしている実感が薄れていくのです。
Lボタンをクリックすれば、買いの建玉ができます。
Sボタンをクリックすれば、売りの建玉ができます。
こんな単純な操作で、商売をしている自覚が芽生えるほうがおかしいでしょう。
けれど、実際に売買は行われています。
貴方が買った玉は、以前誰かが売ったものです。
貴方が売った玉は、誰かが買い取っていきました。
それなのに、殆どの投資家はそれを理解していません。
自分が買った株券はどこからか湧き出したもので、自分が売った株券は勝手に消滅したものと思い込んでいます。
ポジションはボウフラじゃないというのに。
株式をイメージするとわかりやすいので、想像してみてください。
貴方が買ったということは、誰かが売ったということです。
売ったということは、売り手はそれが値下がりすると思ったということ。
貴方が売ったということは、誰かが買ったということです。
買ったということは、買い手はそれが値上がりすると思ったということ。
投機の世界では、反対の思惑を持った投資家同士が売買して、玉をぶつけあっています。
実に面白いと思いませんか?
下がると踏んだものを押し付けられているのか?
それとも、相手は貴重なものを二束三文で手放しているのか?
さてさて、どっちでしょうかね。
買い手がいなくなった銘柄は暴落し、売り手がいなくなった銘柄は暴騰します。
「こんなゴミ株なんか、1円でもいらねーよ!」
と思って皆が売り始めたら、ホントにゴミになるわけです。
実際はいくらか下がった時点で買い手が現れるので、そこで下落が止まるのですが。
チャートの動きは一見ランダムに見えますが、「いくらなら買える」という買い手の意思表示であることを忘れないでおきましょう。
売買は売り手と買い手の合意があって、成立します。
貴方が一人でゲームをしているのではなく、相手にも相手の思惑があるのです。
顔も見えない貴方の商売相手は、一体どんな人でしょうか?
異国の投資家?
それとも大手のファンド?
もしかしたら円転を望む輸出筋や、自動売買プログラムかもしれない。
自分が誰と取引しているのか?
相手が何を考えているのか?
想像してみるのも、面白いかもしれませんね。

まさかインキュベーターだったとは。
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