生存バイアス 注目されているのは氷山の一角

自衛隊に入りたくなってきた。
一般に成功者というのは極めて目立ちます。
スポーツでは金メダリストや年棒10億円の一流選手が注目され、科学の分野ではノーベル賞受賞者が脚光を浴びます。
選手が何人いようが、報われない科学者がどれだけいようが、勝った者だけが注目され、その世界の象徴になります。
生き残った優秀な者が強調される現象を、「生存バイアス」と呼びます。
同様に投資の世界でも、生存バイアスがかかります。
大きく利益を上げた億万長者が声を上げ、多数の負け組は沈黙します。
例えば、「FXで3億円脱税した主婦」のことは誰でも知っているでしょう。
あのニュースによって「FXは儲かるもの」という先入観が植え付けられ、多くの素人がFXに参入することになりました。
他にも、
・競馬で~
・株の空売りで~
・せどりで~
・ブックメーカーで~
○億円稼いだという一部の成功者の噂が流れる度に、それらの投資が注目されています。
それらの評判は、決して全体像を表してはいません。
平均値でもなく、中央値でもなく、まぎれもない最高値です。
統計的にはたった一点のデータでしかない最高値に、全体のイメージが左右されているのが実情です。
負けた人は、本当に何も話しません。
だって、恥ですから。
ひたすら亀のように口を閉じて、それに触れないようにします。
「FXで5億円溶かしてもうた~!」
なんて言っている奴は虚言癖があるか、ただの露出狂です。
実際に失敗していたとしても、桁は二つくらい小さいと思っていい。
人間誰でも何かしらの失敗はあるものです。
完璧に見える立派な人でも、仕事や投資、恋愛で何らかの失敗談はあると思っていいでしょう。
エセ賢者なんか、既に前科36犯です。
懲役は300年を超えました。
FXで勝っている人は、全体の2割以下です。
ひた隠しにされている分を含めると、もっと低いかもしれません。
一握りの成功者の陰に無数の屍が隠れていることを、忘れてはいけません。
調べてみれば、誰でもわかること。
それなのに、大衆はいつも都合の良い部分だけを見ます。
宝くじの当選者は全体の数%だとわかっているのに、自分はその狭い範囲に入れると思い込んでいます。
当たった結果ばかりを考えて、外れた人には見向きもしない。
人間というのは、そういう風にできているのです。
貴方が「悪い」と思っている企業は、全体から見ればかなりの上位に位置していると思っていい。
膨大な数の企業が淘汰される中で生き残ったのだから、最高には及ばなくても、平均値よりはずっと高いはずなのです。
現存するものは皆、自分が思っている以上に優れていると考えるべきでしょう。
どんな分野でも、イメージは一部の生存者が作ります。
貴方が抱いている固定観念は、決して現実を表してはいません。
投資やビジネスに参戦するときは、できるだけ多くの体験談を集めましょう。
母数を増やし、例外を廃した統計だけが、真実を語ってくれます。
生者と死者を合わせた結果。
それが世界の本当の姿なのです。

真実とは時に残酷なもの。
騙されていたほうが幸せなこともある。
☆大衆心理を利用したFXの秘訣
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