ムーディーズ 格付機関に支配された資本主義社会の歪み
2014-07-02|FXのカラクリ(初心者向け)

右かなぁ?
格付けとは、金融商品または企業・政府などについて、その信用状態に関する評価等級で表したものです。
財務が健全な国家や企業 ⇒Aaa
信用力の低いジャンク債⇒C
といったように、アルファベットで表現されるのが一般的です。
信用格付けは格付機関が独自の基準で定めているため、機関によってわりと差があります。
☆債券などの格付機関
◦Moody's(ムーディーズ)
◦Standard & Poors(スタンダード&プアーズ)
◦Fitch Ratings(フィッチ)
◦格付投資情報センター(R&I)
◦日本格付研究所(JCR)
☆投資信託の評価会社
◦Morningstar(モーニングスター)
◦格付投資情報センター(R&I)
特にムーディーズ、スタンダード&プアーズ、フィッチの三社は有名ですね。
この三社が政府債務の格付け見通しを引き下げるだけで、債券市場だけでなく、株や為替も大きく資金が動きます。
債権の格付けは、国家の信用とほぼ同意義。
考えようによっては、国の行く末を左右するほどの力があります。
ギリシャ危機なんかの責任の一端は、格付機関にもあるのではないか?
格付会社は、財務分析や業界分析等によって、金融商品や企業・政府などの信用力を評価しますが、その評価基準には少々疑問が残るところもあります。
例えば、リーマンショックを引き起こしたサブプライムローンの金融商品は、2008年時点では最上級のトリプルAの格付けでした。
信用力の低いローンであっても他のローンと組み合わせることで、一度に破綻することはないと見なされ、高く評価されたわけです。
実際は連鎖的に投売りが起こって、大暴落しましたが。
AAAの格付けを信用して金融商品に手を出していた投資家は、さぞ裏切られた気分になったでしょうね。
しかし、それだけの問題を起こしながら、未だに相場は格付けを重視しています。
信じているというよりも、それを恐れて無視できないでいる、といったほうが正確かもしれません。
ランクが一つ動くだけで、軽く数万人が路頭に迷うことになりますから。
☆ムーディーズの格付順位
Aaa - 最上位。
Aa - 債務履行の確実性は極めて高い。
A - 債務履行の確実性は高い。
Baa - 現段階で債務履行の確実性は高いが、将来まで確実とはいえない。
Ba - 債務履行は当面問題ないが、将来的に確実とはいえない。
B - 債務履行の確実性に問題があり、将来債務不履行となる可能性がある。
Caa - 現時点で不安定な要素があり、将来的に債務不履行となる可能性がある。
Ca - 債務不履行となる可能性が高い。
C - 債務不履行となる可能性が極めて高い。
D - 現時点で債務不履行となっている。
FXの世界でも、各国の債権格付けは大きなファクターになります。
債権の格付けが下がれば通貨価値も下がり、最悪デフォルトとなれば、紙屑同然になることもあります。
日本国債もいずれは返済不可能と見なされて、円の大暴落が起こるかもしれません。
長期取引をする際には、発行国の債権格付けを確認しておくといいでしょう。
例えば、高金利で有名な新興国の債権の格付けは以下の通り。
・トルコ:BAA3
・南アフリカランド:BAA3
それなりの信用はありますが、若干投機的な側面があるということですね。
リラやランドを買うということは、こういったリスクを背負うということです。
格付けは債務の健全性の尺度であり、企業の業績や将来性を保証するものではありません。
けれど、それを無視しては金融が成り立たないのも確か。
貴方が企業の株や債権、あるいは国債や外貨に手を出すつもりなら、格付けランクは必ずチェックしておきましょう。
貴方がどう思おうが、それが社会の評価基準なのですから。
投資でも、ビジネスの世界でも、人から信頼されない者が成功することはありません。
信用こそが全ての基盤であることを忘れないでください。

どんな優れた商品も、信用を伴わなければ無価値である。
まずは利益を求めるより、信用を築くことから始めよう。