絶対値の非対称性 ポジションを逆にしても勝つことはない

どうしてこうなった。
ドル円 105円ロング 10枚
評価額 -20万円
莫大な含み損のポジションを見ると、
「あの時逆方向にポジってたらな~」
と思うときがあります。
FXの損益はロングとショートで反対になります。
ロングのところをショートしていれば、現在のマイナスは全てプラスになったはず。
ずっと昔から、そんなことばかり考えています。

自慢じゃありませんが、エセ賢者の予想は頻繁に外れます。
むしろ当たるほうが珍しい。
ここ数十年の間Mr.逆指標の異名をほしいままにしているので、私と逆のポジションを取れば爆益間違いなしでしょう。
「思っているのと逆にポジれば勝てるのでは?」
そう思って発明したのが、エセ賢者専用発注システム「オートリバース」。
30年の月日と7800万ペリカを費やして開発された、超高性能FXプログラムです。
Lボタンを押すと売り注文が入り、Sボタンを押すと買い注文が入ります。
それ以外の機能は特にない。
「よっしゃ、これで勝つる!」
と思って逆転取引を始めましたが、
やっぱり負けました。

ロングをショートに変えたところで、結果が逆になるわけではありません。
負ける奴はどっちにポジろうが、結局負けます。
☆ポジションを逆にしても勝てない理由
理由はだいたい以下の四つです。
①スプレッド
②ドローダウン
③資金管理
④プロスペクト理論
まず第一にスプレッドがあり、手数料が売り買いのどちらにも不利に働きます。
反転させたい数字はスプレッド分も含んでいるので、仮にLSが逆転しても同じ数字にはなりません。
スワップポイントもDMMなどの例外を除けば買いと売りで差があるため、長期的にも差が拡大します。
☆参考:スプレッド FXの基本コスト
しかし、スプレッド分は実際たいしたことはありません。
せいぜい!%くらいでしょう。
問題はドローダウンに耐える資金管理と、プロスペクト理論による扱いの格差です。
ドローダウンというのは最終的な利益が出るまでに許容する損失のことで、ある程度余裕を持っておかないと取引を続けることができなくなります。
最悪強制ロスカットされてから、レートが上昇に転じることもあるかもしれません。
今現在のレートは下落していても、途中経過では上昇していたかもしれません。
十分な資金を持った状態で取引をしないと上下運動の両方で狩られ、ロングでもショートでも強制決済させられることになります。
ある意味ポジションを取る方向より、資金管理のほうが重要と言えます。
☆参考:丁半博打の誤解 FXの勝率は常に50%以下
そして、何よりもプロスペクト理論。
含み益と含み損を同等に扱えないことが、裁量取引の大きなネックになります。
昔から我慢強い猫として有名なエセ賢者は、含み損なら100年でも耐えられます。
360円からずっとドル円ロングしてますが、いつか元に戻る日を祈って放置プレイを続けています。
しかし、利益が出ると三日と耐えられません。
チキン利食いをして、後からの急上昇を指を加えて見ているだけになってしまいます。
放置した含み損と同じ額を求めるのなら、含み益をずっと放置して大きく育てなければなりません。
しかし、実際にトレードでそれを実行しようとすると、本能が邪魔をします。
LボタンとSボタンを入れ替えても、フィーリングで取引する限り正反対の結果にはならないのです。
☆参考:プロスペクト理論 ホモサピエンスは勝てない
たとえ逆指標の反対売買を行い、相場の方向を正しく捉えたとしても、当人の売買スキルが十分でなければ結果は変わりません。
仮に過去に戻り、選択をやり直せたとしても同じことです。
ロングかショートか。
それはとても大切な選択です。
しかし、それ以上に資金管理と売買ルールは重要になります。
プロスペクト理論に負けず、今日も頑張っていきましょう。

勝っても負けても、己が選んだ道だ。
悔いなどないわ!
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