ハードカレンシー 日本円が失った国際化への道

これが欧米化!?
ハードカンレンシー(国際通貨)とは、国際市場で信用があり、他国の通貨と容易に交換が可能な通貨のことです。
ハードカレンシー以外の通貨は、ローカルカレンシーと呼ばれます。
☆ハードカレンシーであるための条件
・国際的に信用があること
・発行国が多様な財を産出していること
・国際的な銀行における取引が可能なこと
・あらゆる場所での換金が可能なこと
☆主なハードカレンシー
・米ドル
・ユーロ
・日本円
・イギリスポンド
・スイスフラン
明確基準が決まっているわけではありませんので、ハードカレンシーと呼んで良いか微妙な通貨もあります。
NZDやZARなんかは悩みどころ。
しかし、米ドルやユーロをローカルという人はいませんし、韓国ウォンやインドルピーをハードと言う人もいません。
上記の条件で大体判断できるでしょう。
ハードカレンシーであるということは、国際貿易の決済に使えるということです。
原油の支払いには大抵米ドルが使われますが、一応ユーロや円で取引されることもあります。
一方、先進国であっても韓国ウォンでは買えません。
勘違いしてはいけないのは、
「国債通貨だから、通貨高(あるいは通貨安)になりやすいわけではない」
ということ。
為替レートは通貨の売買に依存し、ハードかローカルかは無関係です。
金利差の関係で米ドルやユーロよりウォンやリラが買われることもあります。
最近の金融政策を考えると、円とユーロは当分軟調が続くでしょうね。
量的緩和とマイナス金利の影響は、想像以上に大きいようです。
ハードカレンシーは各国の外貨準備高に組み込まれ、有事の際の保険に使われています。
どの国も米ドルはある程度蓄えているし、円だって少しは持っています。
☆世界の外貨準備通貨
・ドル:61%
・ユーロが24%
・円:4%
・ポンド:4%
まだ大きな数字にはなっていませんが、近年急速に国際化が進み、外貨準備や貿易決済に用いられている通貨があります。
それは中国の人民元です。
最近では米露の対立もあいまって中国-ロシア間の関係も深まり、貿易における中国元の利用が増えています。
いずれロシアの外貨準備から米ドルが外され、人民元に取って代わられるかもしれません。
その一方で、ハードカンレンシーでありながら近年国際市場での信用を落とし続けている通貨があります。
それは日本円です。

なんか違和感があるような・・・
米ドルも通貨の多角化の影響で長期的には衰退していくのでしょうが、まだまだ世界は米国なしには成り立ちません。
しかし、日本円にはそこまでの力はないし、あってもなくても困りません。
本来米国の一極体制が薄れていけば、自然と三大通貨の一つである日本円のウェイトが大きくなっていくはずでした。
基軸通貨は無理でも、アジアの共通通貨ぐらいはなってもおかしくなかったと思います。
しかし、それを妨害し、日本円の信用を地に落とした大馬鹿者がいました。
それがアベクロこと、安倍晋三首相と黒田東彦日銀総裁の二人です。
アベノミクスとは日銀に国債を引き受けさせて、「円の価値を毀損する」政策です。
2%の物価上昇とは、毎年円を2%減価させる宣言に他なりません。

2%どころじゃねぇ・・・
確実に値下がりする通貨を決済に使う国はありません。
値下がりが確実な国債をわざわざ買う人はいません。
物好きな日本人と、国策で国債を引き受けている金融機関以外はね。
アベノミクス政策によって日本円の信用は失われ続けています。
かつてのリスクオフの役割は薄れ、緊急時の逃避資金はスイスフランに流れ込んでいます。
とりあえずしばらくの間は円安・ユーロ安が続くでしょうね。
国の指導者が盛んに低金利・量的緩和を煽って、通貨安に誘導していますから。
日本国債の国内消費率が高いのは、日本の銀行が国債投資を好んでいることだけが理由ではありません。
世界一借金まみれの国の、政府が故意に価値を薄めている債権なんて、誰も買いたくないのです。
いずれ外貨準備からも駆逐され、決済通貨としても使用できなくなるかもしれません。
日本円の信用が損なわれるその一方で、共産主義の中国元が流通を拡大し、世界中で使われるようになる。
なんと皮肉な経済政策でしょうか。
世界は日々移り変わり、活躍する通貨も交代を続けています。
現在ハードカンシーと呼ばれている通貨も、いつまでそれが続くかはわかりません。
ひょっとすると数年後にはユーロや円がローカルカレンシーと呼ばれ、人民元が基軸通貨となっているかもしれません。
あまり見たくない未来ですが、現在のバラマキ政策を見ていると、有り得ない話でもないでしょう。
過去の経済危機のときはいつも、外貨準備高がものをいいました。
分散して資産を持つというのは、何にも勝るリスクヘッジなのです。
ほんの少しでも危ないと感じる貴方は、自身のポートフォリオを見直してみるといいでしょう。

有り得ないと笑い飛ばした、そんな与太話。
そんな未来がすぐそこに迫っている。
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