アベノミクスの真実 実は全く上昇していない日経平均

ああ、あの頃に戻りたい。
ドル円の急伸とともに株価も上昇し、2014年の最高値を付けています。
買い遅れた株式トレーダーはさぞ涙目でしょう。
エセ賢者さん、泣いてなんかいないからね!

「こんなに株価が上がるなんて、景気がいいんだな~」
なんて思っている人はいないと思いますが、実際に景気は最悪です。
はっきり言って、東日本大震災のときよりも酷くないか?
☆経済学者の楽観的な見通しと結果
トリクルダウン →起きてない。
賃金上昇 →起きてない。
Jカーブ →起きてない、むしろ貿易赤字急増&経常赤字転落の危機的状況
GDP上昇 →起きてない。増税後はマイナス7%台と大震災以上の落ち込み
☆甘利経済再生担当相の言い訳オンパレード
【4月】 消費税が上がったんだから仕方ない。5月から順調に景気回復。
【5月】 景気の落ち込みは「想定内」だけど、本格回復はまだこれから。6月から順調に回復。
【6月】 梅雨時なので持ち直しのペースが鈍いのは「想定内」。7月から順調に回復。
【7月】 梅雨明けが遅れたので、エアコンなどの売れ行きがいまひとつ。8月から順調に回復。
【8月】 豪雨の影響で外出を控えた人が多く、冷夏でビールの売れ行きなどもいまひとつ。9月から順調に回復。
【9月】 天候不順の影響で7月、8月の経済指標はやや弱め。
なんとなく景気の悪いニュースが多くなっているけど、天候不順はあくまで一時的な要因なので、秋口から順調に回復。
国家の経済政策を担当する大臣がこの有様とは・・・
まぁ、景気の良し悪しは投機家にはどうでもいいこと。
「景気がどうなろうと、株価が上がればいい!」
エセ賢者のような投機家にとっては、それだけのことかもしれません。
しかし、外国人投資家の視点から株価を見てみると、
日経平均は全く上昇していないことがわかります。
実際にグラフを見てみましょう。

日経平均(ドル建て) 2013年10月~2014年10月
なんかいつもニュースや新聞で見ている株価と違いますよね。
実はこれ、日経平均をドルに換算したときの値です。
円建ての株価は9月に2014年最高値を付けましたが、ドル建てでは未だに最高値を更新していません。
世界から見れば日本の株価は横ばいで、135ドル~155ドルのレンジ相場にあるということになります。
GPIFの運用比率変更をエサに9月から急激に円安株高になりましたが、ドル建て換算ではむしろ株安が始まっています。
海外の投機筋にとって、日本はそこまで魅力的な市場ではないのかもしれません。
世界の基軸通貨はあくまで米ドルであり、日本人以外は皆米ドルを基準に価格を見ています。
円建ての原油価格とか金価格とか、どうでもいいのです。
世間の噂に惑わされずに、国際的な視点で現状を把握しましょう。
アベノミクスによる株価上昇で、一部の資産家や投機家だけが利益を得たといいます。
しかし実態を見ると、信用取引買いを行った人以外はコストプッシュインフレに相殺され、それほど利益が残っているわけでもありません。
株保有者だからといって、必ずしも得をしているわけではないのです。
無論、投機に手を染めていない善良な一般人は、一方的に搾取されるだけですが。
企業の内部留保が問題なんて言う人もいるけれど、そんなの幻想です。
動かせない土地や子会社の株の評価額が上がったところで、それが賃金に転化されるわけがない。
安倍総理は『この春多くの企業で賃金はアップした』と言っていますが、円安によって輸入物価指数は上がり、消費増税前に実質賃金も実質可処分所得も下がっています。
まさにスタグフレーション。
お偉いさんはいったい何を見ているのでしょうかね?
どんなに都合の良いデータを並べたところで、株価は上がっていないし、景気も改善されてはいません。
ただ消費税増税のために言い訳と捏造を繰り返しているだけです。
見かけ上の株価やドル円が上がって喜ぶのはいい。
けれど、それで実体経済が良くなっているのかは、また別の話です。

☆参考
安倍内閣発足以降の実質賃金の推移
http://i.imgur.com/vuEUcI1.png