日本国債格下げと止まらない円安

これじゃあ信用を失うのも当然か。
格付け会社のムーディーズが、日本国債の格付けを1段階引き下げてA1としました。
(2014年12月1日)
消費税増税延期により財政再建が遠のいたのが、直接の理由でしょう。
そうでなくても、中央銀行が国債を買い占めて無理矢理低金利を維持する国に、信頼性などあるわけがない。
増税しようがしまいが、いつかは格下げされる宿命だったと思います。
市場のほうは発表直後に大きく円安に触れ、その後急落というよくわからない反応。
その後また円安が進んでいますので、素直に円売り材料と見ていいのでしょうか。
格下げされて通貨が値下がりし、株価が上がる不思議な国ニッポン。
これも安倍政権の人気取りの一環なのかなぁ。
日本のA1というランクは、韓国や中国よりも下の位で、なぜかオマーンと同順位です。
先進国の中ではわりと低い格付けなのですが、当の日本人はあまり興味が無い模様。
多くの日本人はムーディーズを信用していないし、格付け会社の陰謀くらいにしか思っていない。
国際的な信用を失ったことで現政権を責める人くらいいそうなものだが、そんな政治家は野党にも誰一人いない。
海外投資家が勝手に騒いで、円売りに傾倒しているだけのようです。

確かにムーディーズを初めとする格付け会社は、アテにならないことが多い。
実際破綻前のリーマンには、AAAの格付けを与えていた。
ギリシャのときも問題が表面化してから格付けを急に引き下げて、かえって問題を大きくしてしまった。
事前の投資指針としては役に立たないし、弊害も大きいのでしょう。
しかし、問題が起きてからの格下げは、それなりに妥当性があるとも言える。
少なくとも格下げの対象となった国は、どこも財政的に大きな問題を抱えているのだし。
テストで赤点を取ったとき、「採点する教師が悪い!」と責任転嫁する生徒がどこにいるのか?
日本人はもっとこの結果を真摯に受け止めて、放漫財政に警鐘を鳴らすべきではないかと思います。
予算が足りなければ借金すればいいという考えは、とっとと捨てるべき。

日本国債が格下げを受けたのは、今回だけではありません。
2011年1月にもStandard and Poor’sが、日本国債の格付けをAAからAAマイナスに1段階引き下げています。
確かその発表直後もドル円は円安に動き、82円⇒83円になりました。
当時は円高トレンドですぐにレートは戻ってしまいましたが、今回はどうでしょうか。
現在も続く右肩上がりの政府債務を考えると、前回の格下げはそれなりに正当性があったように思えます。
一度ならず二度までも警告を受けておいてそれを反省しないとは、学習しない民族ですね。
この国に引きこもっている日本人には気づきにくいことですが、世界の日本に対する印象は一刻一刻と変わっています。
日銀が後先省みない異次元緩和を試みる度に、安倍が諸国を回って妄言を吐く度に、この国の印象も変化し、海外へ出た私達の仲間に接する態度も変わっています。
為替レートはただの数字ですが、現在の円安進行の裏で日本の印象も確かに変化しています。
いつも槍玉に挙げられる中韓だけが日本を見ているわけではないことを忘れないでおきましょう。
できることなら、日本は海外から認められる立派な国であって欲しい。
しかし、今の政権が続く限り、それはなかなか難しそうです。

とりあえず今回の選挙は社民党に入れる予定。
消費税5%引き下げの公約が果たされるとは思わないが、それを発言してくれたことに感謝を示したい。
- 関連記事
- Genre:政治・経済
- Thread:日本を正常な国に戻したい