生活保護がプリペイドカードになって潤うのは三井住友カード

持たざる者の反乱が始まる・・・!
大阪市の生活保護費プリペイドカード化モデル事業が、来月から始まります。
これにより希望者の生活保護費はプリペイドカードで支給され、商店での支払いは電子データで記録されることになります。
不正受給を防ぐ観点から賛成者の多い制度ですが、生活保護者からは全く歓迎されていない模様。
これまでプリペイドカード事業に参加を希望した方は、たったの5世帯。
当初の予定の2000世帯にとは、全く比べ物にならない数字です。
大阪市の橋下市長の掲げた目玉事業が、なぜこうも歓迎されないのでしょうか?
まさか生活保護費でパチンコを打つ不正受給者が、大阪中にゴロゴロしているわけでもあるまいに。
☆プリペイドカード導入は貧困ビジネス
プリペイドカードが嫌われる一番の原因は、使えない商店が多すぎるからです。
プリペイドカードの取り扱い店はVISAクレジットカードとほぼ同等ですが、ネットショップはともかく安売り量販チェーン店の大半はカードを取り扱っていません。
ホームレスでワーキングプアなナマポ賢者の場合、業務用スーパーは楽天カード、イオンやマックスバリュはイオンカードで支払っていますが、他の商店ではカードが使えません。
現金を忘れて買い物に行って、財布を忘れたサザエさん状態になったこともあります。
なぜ多くの商店がカード払いを導入しないのかというと、手数料がかかるからです。
クレジットカード会社は分割払いやリボ払いで使用者に手数料を負担させるのとは別に、料金を受け取る商店側に5%前後の手数料を要求します。
だから一括払いで手数料ゼロに見えても、カードを扱う商店では手数料の分だけ割高になります。
それはプリペイドカードでも同じこと。
カード会社が売り上げの数%を決済手数料や入金手数料で徴収した分だけ商品の値段が高くなり、ひいては生活保護費の元となる税金を浪費させることになります。
もしも生活保護のプリペイドカード支給が強制となり、全ての生活保護費はカードで支払われたらどうなるでしょうか?
生活保護費の総額が3.7兆円で手数料が5%とすると、
手数料総額=3.7兆円×5%=1850億円
が三井住友カードに流れることになります。
不正受給よりもこういった賄賂を取り締まるほうが、よほど社会のためになると思うのですが。
カード払いで得をするのは、
・カード会社(三井住友カード)
・カードを取り扱う商店
損をするのは、
・カードを取り扱わない個人商店
・生活保護者
・納税者
この制度を全国に波及させれば経済が恣意的に操作され、一部の企業が利益を得ることになります。
だからナマポ賢者としては面白い試みだとは思うけれど、手放しで賞賛できない制度だと考えています。
せめて生活保護費をカード支給に切り替える前に、
・カード会社を競争させて手数料を引き下げる
・日本のカード普及率を上げる
・生活保護費の半分を占める医療費を削減する
・政治家の政務活動費をカード支給にして不正をチェックする
ぐらいのことはするべきではないでしょうか?
不正使用をなくしたいのなら、まずは議員が先頭に立ってをカードを使ってみるべきかと思います。
近年生活保護費や固定資産税、消費税など、あらゆる面で制度が改定され、お金の流れが変化しています。
公的機関は利便性の向上や負担の公正化をうたっていますが、その陰には必ず何らかのビジネスが絡んでいます。
制度に賛成するのも、反対するのも構いません。
今回の件だって生活保護者に不便を感じさせて社会復帰を促すのなら、決して悪いことではない。
けれど、それによって潤う企業があり、搾取される人がいることを忘れてはいけません。
制度が変わる際にはその理念だけでなく、どんな利害関係が成立するのか考えてみましょう。

どんな給付金も、原資は私達の財布。
なんのサービスもいらんから、いたずらに搾取を広げるのを止めて欲しい。