なぜ人は他人を見下すのか

褒め言葉だったのか!
古今東西、他人を侮辱する言葉が絶えた試しはありません。
男は女をバカだと思っているが、女もまた男をバカだと思っている。
ネトウヨは中韓や在日を蔑視しているが、中韓もまた日本人を蔑んでいる。
年寄りは若者の無知を笑っているが、若者もまた年寄りを老害罵っている。
一般人はオタクを下等と見なしているが、オタクもまたパンピーを見下している。
どちらも自分のほうが上だと思っていて、相手を下にしないと気が済まない。
合わせ鏡のようにそっくりな二つの人種。
実に面白いと思いませんか?
結局のところ、両者に優劣はありません。
単純な力比べならいざしらず、多様性に富む集団に平等な物差しなど存在しないからです。
それでも彼等が侮辱を止めないのは自身の優秀さを信じているからではなく、相手を卑下することに快感を得ているからです。
相手をバカにすること自体が楽しいから、それを止められないだけなのです。
実に不愉快な話かもしれませんが、人間には元々そういう性質があります。
自分より下等な物を見つけて安心し、自身を肯定するようになっています。
他人を侮辱する行為は、我々にとってこの上ない喜びなのですよ。

おのれ、ドラえもん。
中には自分で自分を卑下したり、罵倒されることを喜びとする変態がいますが、それもまた侮辱の喜びの一つです。
能動的であれ受動的であれ、侮蔑という行為は私達に快感を与えてくれます。
まぁ、エセ賢者のことなんですけどね。

可愛い娘に侮辱されるなら、それも悪くない?
ネット上を見ても、会社や学校を見ても、世の中は侮蔑と軽蔑に満ちています。
自分の正当性を主張し、他人を言い負かして、つまらない満足感に浸ろうとする意志が溢れています。
在日とかナマポとか、ニートとかエセ賢者とか、既に悪口は聞き飽きましたよ。
エセ賢者はエセじゃないと、何度言ったことか。
彼等がどうしてこうも必死になって他者を蔑もうとするのかというと、ただそれが楽しいから。
別に貴方を傷付けたいわけでも、身分制度を作りたいわけでもありません。
ただ楽しくてしょうがないから、彼等は人を侮辱しています。
学校における陰湿ないじめも、中二病の人間批判も、ネトウヨの在日認定も、本質的には何も変わりません。
本来、人の意志には善意も悪意もありません。
ただ快と不快の二つだけがあって、それによって突き動かされるのが私達の本当の姿です。
それに深い事情とか、崇高な目的を期待するのは、元よりナンセンスだと言えます。
どんな正論をもってしても、人が自分の心を満たす行為を否定することはできません。
世界は悪意に満ちているように見えます。
人々は凶暴で、貴方を食い殺そうとしているように思えます。
けれど、実態はそうではありません。
彼等が動くのは、単純な快楽と保身のため。
彼等はただ人としての本能に従い、自身の欲望に正直に生きているだけなのです。
きっとこれからも、人は他人を罵り続けるでしょう。
掲示板には悪口が書き込まれ続け、会社では無益なディベートが続くでしょう。
そして、自身を特別と信じてやまない貴方もまた他人を軽視し、知らず知らずのうちに侮辱することでしょう。
それは動物として当然なことなのだから、誰もそれを責めることはできません。
エセ賢者だって、いつも同じことをしているのだし。
しかし、貴方はいつまでもそれでいいのでしょうか?
他人を罵倒して、他人に嘲笑されて、その繰り返しで満足でしょうか?
・・・もう、答えはわかっていますよね。

金持ち喧嘩せずという言葉がある。
争うことで一時的に心を満たすよりも、より豊かで幸福になる術があるということだ。
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