ギリシャ危機とATMの中身

恐ろしい敵が来た!
ギリシャが欧州支援を蹴ったためユーロの供給が止まり、ATMの現金引き出しにも制限を設けることになりました。
ギリシャ国民は一日60ユーロまでしか引き出せず、ATMには長蛇の列が並んでいます。
日本では「ATMからお金が引き出せなかった」というような事件はまずありません。
なぜかというと、使用率に応じて十分な札が入れられ、定期的に補給されているからです。
具体的な額は、1台あたり1千万円くらい。
仮に全員50万円引き出しても、20人までならOK。
前に破壊した時もそれくらい入っていたので、まず間違いないでしょう。
出金口にバールを突っ込んでアセチレンガスで爆破する作業は、結構骨が折れました。
ぬこ「エセ賢者さん、そこまで落ちぶれていたの・・・」

使用頻度の高い首都圏であれば、2千万や3千万は軽く入っているでしょう。
平時に日本のATMが空になる事件は、まず発生しないかと思われます。
ギリシャが現金引き出しに制限を付けざるを得なかったのは、ユーロが欧州の共通通貨だからです。
自国でいくらでも刷れる札ではないから、元栓を締められたら供給が止まってしまう。
地下経済の割合が大きいギリシャで引き出しが殺到すれば、このような事態になるのは目に見えていたでしょう。
逆に言えば、ギリシャがユーロを刷れない以上、ギリシャがどうなろうとユーロへの影響は限定的。
ギリシャネタでユロドルの売りが強まっても、極端にユーロ安は進まないかもしれません。
債務危機が南欧諸国に飛び火すればそれも変わるのでしょうが、今は色々保険もありますしね。
国債の額で言えば日本の圧勝なので、数年後には日本も同じような事態に陥るかもしれません。
日本円は独自通貨なので、ギリシャほど預金封鎖に陥る可能性は高くありません。
だからといって、紙幣がいつでも無限に供給できるわけでもない。
銀行はデータ上のお金なら膨大な量を貸し出すことができますが、実際に蓄えている紙幣はそれほど多くありません。
小さな支店にいって1億円引き出そうとしたら、まず間違いなく断られるでしょう。
預金者の大半が預金を引き出そうと殺到すれば、どんな銀行もマネーストックが切れて、預金封鎖に陥ることになります。
危機を煽るわけではありませんが、その時の備えくらいはしておきたいものです。
まぁ、そんな事態にはならないのが一番いいですが・・・
いくらでもお金の出る魔法の機械。
あまり頼りすぎるのも考え物ですね。

金さえあればそれでいいのか!?