スイスフランショックと中国ショックでFX業者の対応が違いすぎる
2015-09-07|FXのカラクリ(初心者向け)

交通事故は、その後の対応が重要です。
前の記事で
「剥離したレートで強制ロスカットに遭った被害者に対して、DMM証券が正当なレートとの差分を補填した」
ことをお知らせしましたが、さらに続報です。
その後の対応で、DMMは逆指値から滑って約定した顧客に対して、スリッページ分の補償を行いました。
流石に成り行き注文が成立しなかったことへの賠償はありませんが、今回の補償により全トレーダーがストップで約定したことになります。
要するに口座残高がマイナスになった人がいないため、スイスフランショックのように多額の追証を請求されることはなくなったのです。
なんか、エセ賢者のときとは随分対応が違いますね。
あの時にまともな対応を打ち出してくれれば、裁判で争わずに済んだだろうに・・・
なお、この対応はDMM FXに限った話ではなく、他の業者でもスリッページに対する補償が行われているようです。
ライブスター証券でも、逆指値が大きく滑った顧客へ一部返金されたとの情報を頂きました。
とある方はNZD円逆指値76円で注文入れていたのが、大きく滑り73.564円でロスカットされ追証発生していたのが、後日75.352に修正され、差額分が返金されたそうです。
つくづく、スイスフランの時と対応が違いますね。
なんか「顧客に追証を負わすまい」とする意思を感じます。
市場が不安定になると途端にフリーズする証券会社の脆弱性は変わっていませんが、その損失の扱いについては、明らかに変わりました。
半年前なら、
「約定のズレは、全部顧客に背負わせるアル!」
と息巻いていたのに、今では自主的に返金まで行っている。
いくらなんでも、態度が変わりすぎでしょう。
証券会社が態度を急変させた理由は、おそらく二つあると思います。
一つは、「顧客にマイナスを背負わせることが業者にとっても不利益につながる」ことを、多くの業者が理解し始めたこと。
国内業者の大半は呑みであるため、客が損失を出すほど業者の利益が増えます。
しかし、実際には取り立てても回収ができないことも多く、裁判になれば逆に費用がかかってしまう。
何よりも強引な回収は、会社のイメージダウンにつながってしまう。
どこかの偽賢者が、各種広報を通じて盛んに悪事をまくしたてたのも大きかったのかもしれません。
そんなわけで、業者としても前回の反省を活かし、できるだけ追証を背負わせないように配慮したのだと思われます。
取引システムを掌握している業者なら、わざわざ急変時にインチキしなくても、利益を上げることは可能ですし。

巨人の前では、私達は矮小すぎる。
もう一つは、金融の元締めである金融庁が、何らかの指導をしたこと。
あくまで推測ですが。
以前のスイスフランショックでは多数の被害者が発生しましたが、金融庁はそのことに対して一切関知しませんでした。
どんなにレートが飛んで借金持ちが続出しても、金融庁は事実上それを黙認したわけです。
しかし、その後大量の被害届が金融庁・証券取引委員会・消費者センターに届き、各地で裁判も始まって問題が表面化しました。
問題が明るみになったことで、お上もようやく重い腰を上げたのではないでしょうか?
どうしてそう思うかというと、現在DMMやライブスターが行っている返金は、法律的にはグレーな部分だからです。
金商法では「証券会社は顧客の損失を肩代わりしてはならない」という規則があり、有事の際はそれを盾に追証の取り立てを行ってきました。
仮に取り立ての見込みが薄い客であっても、業者側が債務を帳消しにするわけにはいかなかったのです。
スリッページの分に対する返金は「業者側の不備に対する補償」という名目でしょうが、確定した損失を減らしているわけですから、損失の肩代わりに該当する可能性もあります。
それでも堂々と実施するということは、金融庁のお墨付きをもらったと考えるのが自然ではないでしょうか?
まぁ、どんな理由があったにせよ、業者が自主的に返金を行うのは良いことです。
ロスカット義務が確実に遂行され、FXトレーダーの皆さんが借金を背負うことがなくなるのなら、これほど嬉しいことはありません。
証券会社による不正が撲滅され、顧客の財産が守られることを切に願っています。

どんなお店でも、お客様は神様です。
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